広島・中崎翔太投手(26)が2019年6月20日、出場選手登録を抹消された。中崎は開幕から調子が上がらず、今月上旬に守護神の座をはく奪され中継ぎに降格。6月18日のロッテ戦では延長11回にリリーフとしてマウンドに上がり、4安打4失点と炎上し、チームは2-6で敗戦。中崎は今シーズン、29試合に登板し、2勝3敗8セーブ、防御率4.08だった。
交流戦最下位に沈む緒方孝市監督(50)がついに決断を下した。開幕から不調が続く守護神を一度は中継ぎに降格させ様子を見守ってきたが、18日の炎上が2軍降格の引き金になったのだろう。リーグ3連覇の立役者でもある守護神の2軍落ちは、広島が置かれる厳しい現状を如実に物語っている。
チーム打率、得失点差いずれも12球団ワースト
交流戦13試合を消化して白星はわずかに「3」。とにかく打てない。交流戦のチーム打率は.206で、12球団断トツワーストだ。13試合で獲得した得点は「41」で、失点は「61」。20点もの開きがある。マイナス「20」の得失点差は、こちらも12球団ワースト。打撃陣の不振が、交流戦の成績に直結している。
交流戦に入ってから主砲・鈴木誠也外野手(24)の不振が続くが、より深刻なのが田中広輔内野手(29)の不調だろう。田中は6月19日時点で打率.188と2割を切っている。開幕から4月いっぱいまでトップバッターを務め、以降は不振のため打順は下位に降格。DH制が導入される交流戦では9番に入るゲームもあった。
田中は3年連続でフルイニング出場しており、現在も継続中である。阪神・鳥谷敬内野手(37)が持つ、遊撃手のフルイニング出場記録(667試合)まで6月19日時点であと32試合に迫っている。緒方監督が田中を起用し続ける真意は不明だが、不振の打撃陣の象徴ともいえる田中の起用に鯉党からは不満の声が充満している。
「ナインの士気にも影響しかねません」
19日のロッテ戦では、5試合連続でトップバッターを務めた長野久義外野手(34)に代わり、田中が1番に起用された。4月30日の阪神戦以来40試合ぶりとなるスタメン1番。8回、無死1、3塁の好機には2塁ゴロで打点を記録し最低限の働きをしたが、4打数ノーヒットと、この日も快音は聞かれなかった。
在京球団の関係者は「緒方監督の立場も理解出来ますが、今のままではファンが納得いかないでしょう。さすがに打率2割を切っている選手を起用し続ける根拠がない。記録はあくまでも個人的なものですから、指揮官としてはチームの勝利を第一に試合に臨まないとナインの士気にも影響しかねません」と指摘する。
ロッテとの第3戦を控えた6月20日、ドラフト1位・小園海斗内野手(19)が1軍に合流。遊撃手としてスタメン出場の可能性が高まる中、緒方監督の決断はいかに。田中のフルイニング出場記録はストップするのか。注目が集まる。