緒方監督は「非情采配」に転換すべきか 首位陥落で「決断の時では...」指摘

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   広島がついに首位陥落した。広島は2019年6月18日、マツダスタジアムでロッテと対戦し、延長11回、2-6で敗れた。

   2-2の同点で迎えた延長11回、中崎翔太投手(26)が、打者8人に対して4安打4失点で炎上。打線は10安打を放ちながらも2得点に終わり、投手陣を援護できず。チームは5月20日以来の首位陥落となり、首位・巨人と0.5ゲーム差の2位となった。

   マウンド上にかつての守護神の姿はなかった。新守護神ヘロニモ・フランスア投手(25)の後を継いで11回のマウンドに上がった中崎は、先頭の藤岡裕大内野手(25)にツーベースを許し、1死3塁の場面で清田育宏外野手(33)に勝ち越し打を浴びた。その後も乱調は止まらず、鈴木大地外野手(29)、髙濱卓也内野手(29)にツーベースを許して4点を失い、試合をぶち壊した。

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中継ぎ降格の「温情采配」にも応えられず

   今シーズン、中崎は不安定な投球が続き、昨年までの輝きを失っていた。一部では勤続疲労がささやかれるほど、本来の投球とはかけ離れた内容が多くみられた。今月上旬には緒方孝市監督(50)が中崎の配置転換を決断。中崎を中継ぎに降格し、新守護神としてフランスアの起用を決めた。中崎を2軍落ちさせることなく中継ぎに起用する指揮官の「温情采配」に中崎が応えることが出来ず、采配は裏目に出た形となっている。

   緒方監督の采配について在京球団の関係者は「中崎はリーグ3連覇の功労者のひとりなので、扱いが慎重にならざるを得ない。調子が上がらないからといってすぐ2軍に落とすことが出来ないのでしょう。しかし、今シーズンの中崎を見ている限り、そろそろ限界と感じます。一度、2軍で調整させるのもひとつの手だと思います。原監督ならば躊躇せず2軍に落としていると思います。それは非情ではなく、チームの勝利を優先させた決断ですから」と指摘する。

   常勝を義務付けられる巨人の指揮官は今シーズン、非情とされる采配を振るってきた。調子が上がらなければ、高額で獲得した外国人助っ人を容赦なく2軍に落とし、2軍で結果を残した若手投手が1軍で打ち込まれれば即、2軍に落とした。交流戦では一時、4番・岡本和真内野手(22)の打順を下げ、若き主砲に「愛のムチ」を。勝利を最優先したなりふり構わない采配で、広島を追いやり首位の座に返り咲いた。

交流戦のチーム打率は12球団ワースト

   中崎の不調に加え、打撃陣の不調も深刻だ。交流戦のチーム打率.210は12球団ワーストで、同じくワーストの38得点は、トップ西武の「80」の半分以下。中でも主砲・鈴木誠也外野手(24)の不振は深刻さを増し、チームに与える影響は大きく、交流戦最下位のひとつの要因となっている。

   前出の関係者は「リーグ連覇中の広島は安定した強さがあったので、頻繁に打順を代えたりする必要がなかった。投手陣に関してもそうですね。しかし、今の広島は昨年までの広島とは違います。いい時は手が付けられませんが、状態が悪くなると修正するまでに時間がかかる。今までは選手自身が修正して勝ってきましたが、今シーズンは監督がメスを入れる必要があると思います。中崎にしろ、打撃陣にしろ、緒方監督の決断の時ではないでしょうか」と話す。

   交流戦12試合を消化し、4カード連続で勝ち越しはない。成績は3勝8敗1分で勝率はわずか273.と泥沼にはまっている。交流戦の残り試合はあと6試合。緒方監督は「非情采配」を振るうことが出来るのか。過去、交流戦最下位のチームがリーグ優勝を果たしたことはない。広島の厳しい状況が続く。

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