訪日外国人の好調も後押し
他にも5月末以降、JPモルガン証券、モルガン・スタンレーMUFG証券、大和証券が相次いで目標株価を引き上げた。大和証券は「緩やかな増益基調を維持するだろう」と評価している。
少し前になるが、JR西が4月26日に発表した2019年3月期連結決算と2020年3月期の業績予想を確認しておこう。2019年3月期は売上高が前期比1.9%増の1兆5293億円、営業利益が2.9%増の1969億円、純利益が7.0%減の1027億円だった。西日本豪雨の影響で今も運休が続く区間があるが、自然災害が影響したのは主に破損した路線の復旧や修繕にかかわる特別損失を計上した純利益に限られた。
2020年3月期は売上高が前期比1.8%増の1兆5575億円、営業利益が0.5%増の1980億円、純利益が15.3%増の1185億円を見込んでいる。会社側は「災害復旧を優先したため遅れている鉄道の安全対策を集中的に実施し、人材確保に向けた待遇改善を行う」として費用がかさむとしているが、純利益については自然災害が影響した前期の反動で大幅プラスを想定した。
会社予想の営業利益は伸び悩むように見えるが、改元に伴う大型連休や大阪府東部を南北に結ぶ「おおさか東線」の全線開業(2019年3月)、訪日外国人でにぎわう関西地方を地盤とすることが業績を底支えしそうなうえ、2020年3月期配当予想を15円増の190円としていることもあり、JR西株の人気は続きそうだ。