決めきれなかった要因
上田は少なくとも4度の決定機に絡んだが、いずれもゴールはできなかった。厳しい声もあがっているが、相手は王者のチリ。裏を返せば強豪相手に「あと一歩」のところまで来ているという見方もできる。名良橋氏は「それほど悲観する必要はない」として、次戦にも期待を込める。
「上田選手は動き出しなどで際立つプレーや、ゴールを狙って先を読む力が見られました。味方がパスを出したくなるような動き方が随所でできており、トラップのコントロールも悪くなかった。
決め切れなかった要因としては、『余裕』がなかったように見えます。初のA代表、初スタメン、相手は南米の強国――そういう状況に気圧されたのか、最後の局面で良い意味の『余裕』が持てず、シュート精度に影響した部分もあるでしょう。
GKの違いもあります。普段相手にしている大学生のGKなら1対1の局面ですぐに倒れているところが、チリのGKアリアスは最後までどっしりと構え、立ちはだかりました。
そうした普段との違いをどう解釈し、プレーに反映させていくか。1つ試合に出て南米相手の試合の雰囲気を感じたことで、修正できる余地はあるでしょう」