19年ぶりの社長交代は好材料
クレディセゾンは2019年3月、19年ぶりに社長が交代し、山下昌宏氏(61)が専務から社長に昇格した。セゾングループ創業者の故・堤清二氏の薫陶を受けた西武百貨店出身の林野宏氏(76)が社長を辞して代表権のある会長に就任し、最高経営責任者(CEO)を兼任している。林野氏は「永久不滅ポイント」の発行や東南アジアなどの海外展開を進めたほか、全従業員の過半にあたる2200人の非正規社員をすべて正社員にするなど思い切った施策で注目を集めた経営者。株式市場では、8月に77歳になる林野氏からの「事業承継」がリスクと見られてきただけに、後継のメドが立ったことは好感されている。
とはいえ、会社側も認める通り、新規参入者の相次ぐ金融サービス市場の競争環境は厳しい。体力のあるうちにどれだけ有効な対策を打ち出せるかを市場が注視していると言えそうだ。