元日本代表の今泉清さん、永友洋司さん、坂田正彰さんによる「レジェンド座談会」も、第3弾(前々回、前回)。
開幕前、そして開催期間中は大いに盛り上がることは間違いない。しかし、大会終了後は...と考えると、ラグビーファンとしては、一抹の不安を覚える。日本が、真の「ラグビー大国」になるためには、どうしたらいいのだろうか?
(聞き手・構成/J-CASTニュース 山田大介)
1980年代~90年代は「早明戦」チケット獲得に徹夜組も出た
今泉さんが早稲田大、永友さんが明治大、坂田さんが法政大だった1980年代~90年代、大学ラグビーは空前の盛り上がりを見せた。特に、毎年12月第1日曜日に行われる「早明戦」(当時は国立競技場で開催)は、真冬にもかかわらず、当日券を求めるために「徹夜組」まで出るほどだった。
ハーフタイムには、誰言うともなく、スタンドの観客がウェーブを始めた。当時、高校生だった筆者も「ウェ~イ!」と、立ち上がったことを記憶している。
現在も早慶戦、早明戦などはスタンドが満員になるのだが、一方でトップリーグ(TL)は空席が目立つ。
考えてみると、これは実に不思議な現象だ。ラグビーのレベルとしては「大学<TL」なのに、観客数としては「大学>TL」ということになる。野球に例えれば「大学>プロ」、サッカーなら「大学>Jリーグ」という図式だ。
もちろん、すべての大学ラグビーに当てはまるわけではない。しかし、こと「早慶戦」「早明戦」においては、観客数が激増する。一般的には「早慶戦」「早明戦」と言うが、慶応義塾大の学生やOBは「慶早戦」、明大の学生やOBは「明早戦」と呼ぶ人も少なくない。
こと「早慶明」の3校は、常にライバル関係。私見だが、その優劣をつける最も分かりやすいスポーツが、ラグビーだったのではないだろうか。