米国に本社を置く世界的スポーツ用品メーカー・NIKE(ナイキ)の女性向けウェアをディスプレーする1つの「マネキン」が、ツイッター上で話題を呼んでいる。
マネキンといえば細身の体型が多い中、ナイキのそれは珍しい「ぽっちゃり体型」で、これにぴったりフィットする大き目サイズのウェアを展示。ツイッターでは「絶対に需要ある」などの声があがった。
「金額より、サイズあるかどうか」
話題のきっかけは2019年6月7日、あるツイッターユーザーの「NIKEがぽっちゃりウェアの販売を強化。このマネキンはリアルでいい」という投稿。アップした写真には、確かにふくよかな女性のマネキンが写る。上下に黒のスポーツウェアを着用しており、ジャストフィットしていることからかなり大き目サイズのようだ。
マネキンでこうしたサイズが展示されていることは反響を呼び、ツイッターで10万件以上の「いいね」を集めた。また、
「多くのお母様が救われそう」
「絶対に需要ある。痩せてればダイエットしないから。1番ダイエットしない理由は服が無いからなんだよな」
「有り難いよ。鍛えたい、痩せたいおデブは居るよ。着れるウェアがないから(運動を)やらない人は多いと思うんよ」
「僕みたいに、肥満の人のが、ないんだよねー、金額より、サイズあるかどうか、からさがすから」
などの声があがっており、ウェアへのニーズは高そうだ。
実際、ナイキでは女性向け大き目サイズの商品販売に注力している。J-CASTニュースが12日ナイキジャパン(東京都港区)広報を取材すると、このマネキンはナイキが17年から北米や欧州で展開する大き目サイズのシリーズ「ナイキ・プラスサイズ・コレクション」のためのものだという。
同シリーズは「全てのサイズで完璧なフィットを展開する」ことをコンセプトに、多様なサイズ、カラー、スタイルのウェアを展開。広報は「(米国サイズの)1Xから3Xまで、完璧なフィットを実現します」としている。
日本での展開「継続的な検討を続ける」
今回ツイッターで話題になった写真は、英国ロンドンに構える旗艦店「ナイキタウン」の店内で撮影されたものだ。同店は6月上旬にリニューアルオープンし、「女性用フロア」を新設した。同社は「スポーツの多様性と包括性を祝福したい」としており、上記シリーズの大き目ウェアを展示するため、それに合わせた大き目のマネキンを取り入れた。なおマネキン自体は一部の北米店舗で18年に使いはじめたという。
大きなウェアとマネキンを旗艦店で大々的に展示することは一部反発も招いた。米FOXニュースによると、英テレグラフのコラムニスト、ターニャ・ゴールド氏は「肥満との戦いを諦めたのか」などと持論を展開した。ただ、これが逆に「プラスサイズ」支持者に火を付けた。著名人がロンドンのナイキタウンを訪れ、マネキンの隣で写真を撮ってインスタグラムに投稿するなどの動きにつながっており、共感を集めている。
今後日本でも同様の展開を進める予定があるかについて、ナイキジャパン広報は「最適なサービス展開やお客様のニーズに答える方法は、継続的な検討を続けていきます」と話している。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)