日本航空(JAL)が仏エアバス社に発注していた大型旅客機、エアバスA350型機の初号機が2019年6月14日朝、羽田空港に到着した。JALでは1996年から主力の大型旅客機としてボーイング777型機が活躍しており、A350はその後継にあたる。
現時点でJALグループが運航している飛行機は、小型機を除くとすべてボーイング社製で、旧日本エアシステム(JAS)が導入した機材を除けば、JALがエアバス機を購入するのは初めてだ。
機体後部に「A350」の大きなロゴ
A350には標準型の900型と長胴型の1000型の2種類があり、今回到着したのは900型だ。900型は全長66.8メートル、全幅64.75メートル。777-200型機と比べてそれぞれ3、4メートル程度長い。標準座席数は777-200の375席よりも若干少ない369席だ。 初号機~3号機までは特別塗装を施され、機体後部に「A350」の大きなロゴをあしらった。色は初号機から順に「挑戦のレッド」「革新のシルバー」「エコのグリーン」だ。初号機は6月11日(現地時間)に仏・トゥールーズのエアバス社工場でJALに引き渡され、13日午後(同)に日本に向けて出発。JALの植木義晴会長ら関係者17人を乗せ、約12時間の飛行を経て7時56分に羽田空港に到着した。
植木氏は、13年にJALがA350導入を決めた時の社長だ。運行する機種をボーイング社にそろえた方が整備や訓練がしやすいため、当時はボーイング777型機の後継機「777X」が競合として取り沙汰されていたが、植木氏は
「当然ある意味での初期投資は必要になると認識している。その経済性を加味してA350に確定した」
と説明していた。当時のエアバス社の説明によると、A350の燃費はボーイング777型機と比べて25%、中型機の787と比べて6%優れているとされる。燃費向上など、維持コストを軽減できるメリットが、整備や訓練が煩雑になるデメリットを上回ると判断したとみられる。
植木会長「自信を持って羽田に帰ってきた」
A350の初号機から降り立った植木氏は、
「6年前の決断は正しかった。自信を持って羽田に帰ってきた」
と話した。
JALは900型を18機、1000型13機を確定発注。最大25機を追加購入できるオプション契約も結んでいる。900型は19年9月1日の羽田-福岡線を皮切りに国内線に導入され、追って1000型も国際線の長距離路線にお目見えする。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)