若い世代ほど少ない「全面的に公的年金に頼る」派
さらに、年金だけでは老後は暮らせないという認識は、国民の間で広く広まっている。例えば
「老後資金の現実 『年金+3000万円』が必要額の目安」(17年9月、日本経済新聞)
といった記事は枚挙にいとまがないし、三菱UFJ信託銀行ウェブサイトの「老後資金はいくら必要?どうやって貯める?」と題したコーナーには、
「一般的には老後資金の目安は3,000万円だといわれることもありますが、これは年金以外の収入がなくなった際に、年金だけではまかないきれない分を指しています」
とある。
世論調査でも、その傾向が見て取れる。内閣府が18年11月に行った「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」では、老後の生活設計を「考えたことがある」と答えた人は67.8%にのぼり、そのうちの過半数にあたる55.1%が「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」と回答。「全面的に公的年金に頼る」と答えたのは23.0%だった。これを年齢別にみると、すでに受給している70歳以上は45%で、60~69歳が23.8%、50~59歳が17.7%、40~49歳が9.2%、30~39歳が2.5%、18~29歳が6.7%。最も若い18~29歳を除くと、若くなるほど公的年金に頼ろうとする人の割合は減少している。