吉田輝星が「これ」を克服すれば、とてつもない投手になる 初登板で見せた可能性と、一つの課題

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   日ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18)がプロデビュー戦を白星で飾った。

   2019年6月12日、日ハムは札幌ドームで広島と対戦し、2-1で勝利した。プロ初先発の吉田が5回4安打1失点、4奪三振の好投。吉田の後を継いだ4人の投手が広島打線に得点を許さず「完封」リレーでドラ1右腕にプロ初勝利をプレゼントした。日ハムの高卒新人による初先発初勝利は、2010年の中村勝投手(27)以来となった。

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「普通はあの場面でストライクを取るのに精いっぱい...」

   最速147キロ、プロ入りしてから最多となる84球を投じた吉田。マウンド上から繰り出された80%が直球だった。プロ野球ファンの熱い視線が送られる中でのプロ初登板は、「伝家の宝刀」直球で勝負に出た。日ハムOBで野球解説者の野口寿浩氏(47)は「高卒ルーキーの初登板としては100点」とした上で次のように続けた。

「吉田投手の立ち上がりは、先頭の長野(久義)選手にヒットを打たれましたが、落ち着いているように見えました。菊池(涼介)選手と鈴木(誠也)選手にフォアボールを許してワンアウト満塁にしましたが、西川(龍馬)選手への投球は非常に素晴らしかった。普通はあの場面でストライクを取るのに精いっぱいですが、三球三振ですから。あの3球は全て素晴らしいものでした」

   吉田といえば、昨夏の甲子園を沸かせた150キロを超える直球だろう。12日の試合では、スピードガン表示の最速は147キロだったが、広島の打者は数字以上に球の威力を感じたようだ。野口氏は、広島打線が吉田のストレートに対応しきれなかった要因を次のように指摘した。

「スピードガンでは140キロ台を表示しても打者の体感的には150キロを超えるものだったと思います。打者はスピードガン表示と実際に打席に立った時の体感のギャップを敏感に感じ取りますが、簡単にアジャスト出来るものではありません。おそらく意識して投げてはいないと思いますが、カットボール気味になっていたストレートもありました。私の経験上、あの球は非常に打ちにくい。近鉄と中日で活躍してメジャーリーグでも活躍した大塚(晶文)選手も同じような球を持っていました。真っすぐで勝負できる球です」

野口氏「ひとつ気になったのはカーブを投げる時のフォーム」

   また、野口氏は吉田のカーブを絶賛しつつ、今後の課題を指摘した。

「ブレーキがかかったあのカーブは非常に有効でした。あのストレートにキレのあるカーブ。カウントを取る球にも勝負球にも使うことが出来るカーブでした。ひとつ気になったのはカーブを投げる時のフォームです。カーブを投げるフォームが全体的に緩いと感じました。ストレートのフォームと若干、異なって見えました。今後、ストレートとカーブのフォームをより近付けるというのが課題になると思いますが、これを克服すればとてつもない投手になると思います。またひとり日本球界に新星が誕生しました。これからの吉田投手の投球に大いに期待したいです」
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