大阪府立大学は2019年6月12日、「大学院講義において発生した不祥事事案についてのお詫び」とし謝罪文を公式サイトで発表した。
不祥事が起きたのは6月11日で中百舌鳥キャンパスで行われた大学院生向け講義「イノベーション創出型研究者養成」内で、講師が壇上から受講生に対してレーザーポインタを照射したという。
講師「最前列で寝るとはどういうことだ」
詳細については「現在調査中」とする一方、「由々しき行為であり、教育機関として許せるものではありません」とし、「受講生全員には学内向け電子掲示板に組織として謝罪いたしました」「このたびは多大なるご迷惑をおかけしたこと、重ねてお詫び申し上げます」と発表した。
当時はどういった状況だったのか。J-CASTニュース編集部の取材に、講義に出席した学生が答えた。
「イノベーション創出型研究者養成」は産学協同で企業人らと共に技術経営の基礎や企業研究者に必要な知識などを学ぶ講義で、11日の講義は「企業管理者教育研修をモデルにした講義」と題されている。
12日、J-CASTニュースがこのカリキュラムを運営する教育推進課高等教育推進機構に取材したところ、レーザーポインタを照射したのは外部講師として招かれた、民間シンクタンクの社員だという。
J-CASTニュース編集部に当時出席をした修士課程1年生の学生は、「講師が『最前列で寝るとはどういうことだ』と憤りレーザーポインタをあてた」と答えた。
「問題の件があったのは授業の中盤でした。講師が講義中に最前列で寝ている学生を発見し、『最前列で寝るとはどういうことだ』と憤り、ペナルティ、あるいは見せしめとしてレーザーポインタを学生に当てた形になります」 「教室はざわめいたもののすぐに何事もなく講義に戻りました。講師から謝罪の類いはないまま授業は時間通りに終了しました」
と当時の様子を語った。
また学生の話によると講義冒頭、「企業を取り巻く環境変化とリスク」という話の中で、例として「パワハラ」問題を取り上げたという。
「パワハラの具体例としては、部下を「お前」呼ばわりすることを上げていました。今はこの程度でもパワハラ扱いされるという口調でした」
と学生は答えた。
レーザーポインターは光が直接目に当たると、視力が低下するなどの危険が指摘されている。