「歯車が狂いだすとヒットすら出なくなる」
セ・リーグ首位の広島が交流戦で苦戦していることから、ゲーム差にさほど変化は見られないが、3位・阪神にゲーム差なしで猛追されている。昨オフ、野手の大型補強に成功し、チームの打撃部門ではリーグトップを独占。82本塁打は断トツトップで、最少となる中日の41本の2倍だ。チーム打率264.と278得点もリーグトップにありながら、広島とのゲーム差はなかなか縮まらないのが現実だ。
在京球団の関係者は「これだけホームランが多いわりに試合で勝ち切れないのは、打線につながりが見られないからです。長距離ヒッターばかりを補強したので、ホームランの本数は出るが、タイムリーが出ない。巨人の打線は確かに一発があるので怖いですが、逆にいえば、球を低めに集めて一発を警戒すればそれほど怖くはない。打撃陣の調子の波が合えば二桁得点することもあるが、歯車が狂いだすとヒットすら出なくなる。これが今季の巨人の特徴です」と指摘する。
代打の切り札として、阿部が控え、アレックス・ゲレーロ外野手(32)も代打要員に甘んじている。さらには2軍で調整中の中島宏之内野手(36)も不調にあえいでいる。前出の関係者は「原監督は結果を出さない選手には容赦ないので、今季限りの選手も出てくるでしょう。それを受けてまた、野手を補強してくると思います。原監督は全権監督といわれているくらいですから、要望があれば球団は首を縦に振らざるを得ないでしょう」と話した。