作家の田辺聖子さん死去 メディアが伝えた「代表作」は?

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   文化勲章受章者の作家、田辺聖子(たなべ・せいこ)さんが2019年6月6日、胆管炎のため死去した。91歳だった。10日に各メディアが報じた。

   「恋愛小説の名手」「軽妙なエッセー」「王朝物語、古典案内」......多彩な分野での作品が多く知られる著名作家の訃報に、ツイッターでは冥福を祈る言葉に加え、投稿者が好きな作品を勧めるつぶやきが多く寄せられた。メディアが見出しや前文で紹介する作品にも違いが見受けられた。

  • 田辺聖子さんの多くの名言を収録した『女のホンネ 男のホンネ』(文春ムック)
    田辺聖子さんの多くの名言を収録した『女のホンネ 男のホンネ』(文春ムック)
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「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)」で芥川賞を受賞

   「恋愛小説の名手と知られる」(読売新聞)作家の田辺さんは、1964年の恋愛小説「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)」で芥川賞を受賞した。「軽妙なエッセーも多く執筆」(NHK)していることでも知られ、田辺さんのエッセー作品などを原作にした、NHK連続テレビ小説「芋たこなんきん」(2006年~07年)も放送された。また、「王朝物語、古典案内」(共同通信)の分野でも知られ、「源氏物語」を「新鮮な感覚で『現代』のよみものとして、蘇らせた大ロマン長編」(新潮文庫サイトより)である「新源氏物語」は代表作のひとつだ(メディア引用は全てウェブ版)。2008年に文化勲章を受章した。

   田辺さんの作品を見出しや前文で触れたメディア記事(初報形式)を比べてみると、「『感傷旅行』『ひねくれ一茶』」(共同通信、見出し)、「『感傷旅行』『新源氏物語』」(日刊スポーツ、同)、「『新源氏物語』などで人気を集めた作家」(NHK、前文)、「『猫も杓子も』『ジョゼと虎と魚たち』など」(読売新聞、同)といった違いが見受けられた。見出しや前文では作品名には触れず、本文で詳しく紹介するメディアもあった(たとえば朝日新聞はシリーズものを含め7作品)。

   また、追悼ツイッターの中で好きな作品名を挙げている人も多く、『言い寄る』『苺をつぶしながら』『私的生活』などが見受けられた。2003年に映画化された『ジョゼと虎と魚たち』を挙げる人も目立ち、10日夕の「ツイットレンド」によると、ツイッターのトレンド・ランキングで、田辺さんの名前が4位に入るなか、同作品が19位になっていた。

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