スポーツ紙の紙面は「久保一色」
永井は今回4年ぶりに代表招集されると、誰よりも結果を残した。前半19分、DF冨安健洋(20)が長いスルーパスを出すと、オフサイドラインを見極めて右サイドのスペースへ。相手2人がブロックに入るも一度切り返し、後ろから来たもう1人のDFも振り切って、倒れ込みながら打ったシュートがゴールネットを突き刺した。同41分には畠中のスルーパスに反応したMF原口元気(28)がゴールラインギリギリで折り返すと、ニアサイドに走り込んだ永井がダイレクトシュート。前半だけで2ゴールと獅子奮迅の活躍を見せた。
いずれも永井最大の持ち味である「俊足」を大いに生かしたゴール。得点シーン以外でも前半25分、MF橋本拳人(25)の縦パスから南野がはたいたボールを足元で受けると、前を向いてシュートに持ち込むなど、鋭い飛び出し以外の引き出しも見せた。永井の活躍はほぼ「大迫一択」だった代表の1トップにとって光明とも言える。
だが10日のスポーツ紙の紙面は「久保一色」だ。日刊スポーツは1面で「強烈デビュー久保!!」、スポーツニッポンも1面で「久保にくぎ付け A代表デビュー!! 待ってました~!!」の見出しとともに、久保のシュートシーンの写真を掲載。スポーツ報知は最終面(裏1面)で「沸いたーー久保!! 抜いた打ったキレキレ27分間」、サンケイスポーツも同面で「久保 たった6分で即シュート!!」と見出しを打ち、写真もやはり久保のシュートシーン。デイリースポーツも代表戦を扱った7面カラーで久保を大きくクローズアップした。
こうした風潮にもツイッターでは、
「今朝のスポーツ新聞 案の定久保一色だったな。それよりも、ワンチャンス×2回をモノにした永井をもっと評価してほしいな」
「久保建英と中島翔哉は大好きだけど2得点した永井が新聞の一面じゃないこの国のメディアは終わってる」
といった声が相次ぐことになった。