駅のホームの端に柵を設置され、電車の写真が撮りにくくなったと、鉄道ファンがツイッター上で嘆いたことが話題になっている。
閉め出されたのではないかと言うのだが、真相はどうなのだろうか。
「これじゃ撮り鉄も寄り付かない」と訴えるが...
「なんてとこに柵立ててくれたんだ」「非常に撮りにくい」。ある鉄道ファンがツイッター上で、熊本市内のJR鹿児島本線・植木駅でのことについて、こう不満をぶちまけた。
JR九州などが観光キャンペーンの一環で、2019年8月に大阪~熊本駅間で臨時の夜行列車「サロンカー明星号」を運行させる予定であることから、鉄道ファンの集結を防ぐ目的があるのではないかと、疑念を示した。そして、柵の写真を付けたうえで、「これじゃ撮り鉄も寄り付かない」と訴えた。
写真を見ると、背後に山が見えるホームの端に金網フェンスの柵が、人が入れないように設置されてある。中央の出入り口は、保守作業員向けのようだ。
この投稿が19年6月9日にツイッター上で取り上げられると、大きな反響を集めた。10日夕までに5000件以上もリツイートされ、様々な意見が寄せられている。
駅の柵について、「撮り鉄対策だな」「危険で邪魔だから柵付けた」「日ごろの行いが悪いからこうなる」などと共感は多く、マナーが悪いとされる一部の撮り鉄に反発する声も相次いだ。
一方で、柵の設置は、鉄道ファンのマナーとは直接関係ないのでは、といった書き込みも多い。「ホームの未使用部分を閉鎖し、安全を確保してるだけ」「短編成化によるホーム上の安全対策でしょうね」などの指摘だ。
「撮影立ち入りを防ぐためでなく、老朽化で安全を考えた」
真相はどうなっているのか、JR九州の熊本支社にJ-CASTニュースが取材すると、総務・企画課の担当者が6月10日にこう説明した。
「電車を撮影する人が入らないようにする目的ではありません。長年、ホームの端の部分は使用しておらず、老朽化も進んでいるため、安全のために立ち入りができないようにしました」
鹿児島本線では、九州新幹線が全線開業してから特急は一部を除いてなくなり、現在は、普通電車(2、4両編成)と貨物電車が走っている。フェンスの柵は、上下線のホーム両端の計4か所で3月15日に設置した。
植木駅は、周囲に大きな建物がなく、電車全体が撮れるとして鉄道ファンの姿は多いというが、これまでに線路に立ち入るなどのトラブルは聞いていないという。柵の設置後も、乗り越えるなどして撮影するケースも聞いていないとしている。
JR九州管内では、三角線の駅などでも、数年かけてホーム上の柵設置を進めているそうだ。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)