広島連敗止めるも「鷹アレルギー」健在 脳裏をよぎる「日本シリーズの悪夢」

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   広島がソフトバンクとのセ・パ首位対決を1勝2敗と負け越した。2連敗で迎えた第3戦は2019年6月9日、マツダスタジアムで行われ、広島が3-2でソフトバンクを破った。ソフトバンク打線に10安打を許しながらも救援陣の踏ん張りで2点に抑え込み、昨季の日本シリーズから続く対ソフトバンク戦の連敗を「6」でストップ。セ・リーグ首位の意地を見せて一矢報いた。

   今年も広島の鷹アレルギーは「完治」していなかった。カード初戦の先発は、今やエース大瀬良大地投手(27)と並び、先発ローテの柱として期待される床田寛樹投手(24)。防御率2.77左腕が、責任イニングの6回もたずに5回3分の1、6安打4失点で降板。打線はソフトバンク先発・千賀滉大投手(26)の前に7回まで3安打と封じ込まれた。8回に3点を返し1点差としたものの、直後の9回に2点を失い試合が決した。

   第2戦目は、先発4連勝中と波に乗るクリス・ジョンソン投手(34)がマウンドに。2回と4回にそれぞれ得点を許すも、打撃陣が奮起し、4回には同点に追いついた。だが、その直後の5回、内川聖一内野手(36)の勝ち越しタイムリー2塁打などで2点を失い、ジョンソンは5回8安打4失点で降板。打線は5回以降わずか2安打と振るわず、2-4で敗れた。

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今年も九里が鷹キラーぶり発揮

   3タテだけは食い止めたい広島は、第3戦目のマウンドに九里亜蓮投手(27)を送り込んだ。昨シーズン、交流戦のソフトバンク戦で同じく2連敗後の3戦目の先発を託され、見事プロ初完投で連敗を阻止。今年もまた九里が連敗を止め、鷹キラーぶりを発揮し、昨シーズンから続いていた悪い流れを断ち切った。

   連敗がストップしたとはいえ、内容は手放しで喜べるものではなかった。6回、7回、8回と、毎回のようにランナーを出し、7回には1死満塁の一打逆転のピンチに。この場面は一岡竜司投手(28)が気迫の投球で内川を併殺に打ち取ったが、ソフトバンクの強力打線に最後まで肝を冷やす展開が続いた。

   昨シーズンの日本シリーズから続いた6連敗のうち、5試合でソフトバンクに先制されて逃げ切られている。広島のお家芸ともいえる逆転劇はソフトバンク戦では影を潜め、ようやく9日のゲームで逆転劇を見ることが出来た。第3戦目に一矢報いたとはいえ、広島の8安打に対して、広島投手陣が許した安打は「10」。初戦は9安打、第2戦目は10安打を許し、広島投手陣は打ち込まれている。

   今シーズン、広島は球団史上初となる開幕から5カード連続の負け越しを喫する最悪のスタートを切るも、5月の11連勝で大きく息を吹き返した。5月に入ってからは投手陣が安定し、チーム防御率3.13はリーグトップで、228失点はリーグ最少だ。チーム成績も「定位置」の首位に返り咲き、着々とリーグV4への土台作りを行っている。

ソフトバンク戦6連敗で悪夢蘇る

   開幕当初は絶望的と見られたリーグVだが、広島のチーム状態が上がるにつれ鯉党の期待はふくらむばかり。リーグV、そして悲願の日本一。今年こその思いを抱いた矢先のソフトバンク戦の負け越しに、昨シーズンの日本シリーズの「悪夢」を思い出したファンは少なくないようだ。

   昨シーズンの日本シリーズは初戦2-2のドローに終わり、第2戦目は5-1で広島が取り先勝。第3戦目から広島はソフトバンクに4連敗を喫し、日本一の座を逃した。短期決戦で先勝し、アドバンテージを得たかに見えた広島だったが、総合力で上回るソフトバンクから2勝目を奪うことが出来ず、悪夢の4連敗となった。広島の鷹アレルギーは年をまたいでも完治していないようだ。

   昨シーズンの日本シリーズに続いての6連敗となった8日の試合後、緒方孝市監督(50)は記者会見場に姿を現さなかった。もどかしさか、悔しさか、それとも怒りなのか。指揮官の胸中は不明だが、今シーズン2度目の会見拒否が、指揮官の思いを雄弁に物語っている。この敗戦を受けてネット上では、「今年も日本一は無い」、「レベルが全然違う」、「もう永遠に続きそうだ」など鷹アレルギーを嘆く声が寄せられた。

   ペナントレースは中盤に差し掛かり、交流戦は残すところあと4カード。日本シリーズに進出するためには、当然のことながらリーグV、クライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がらなければならない。ただ、いずれにせよ悲願の日本一を達成するには、ソフトバンクの存在が大きく立ちはだかることになりそうだ。

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