ネット上でとあるユーザーがツイッターに、ペットの猫の食欲がなくなったと投稿。口元まで食べ物を持って手の平からならご飯を食べる猫を、病院へ連れて行くと検査するも異常なく「ただの甘えですね」と診断されたという。
投稿は4万リツイート以上され、「いいね」も15万を超えている。加えてリプライ欄には「わたしの猫も甘えてきます」「わたしの猫の画像もみてください」と多くの猫の「甘え」画像が。世の中の猫はこんなにも甘えてくるのか、とかわいらしく思えた。
と同時に、猫を飼ったことのない記者は「そもそも甘えるって何だろう」「どうして甘えるんだろう」と疑問に思い、獣医に取材を試みた。
動物の行動診療を行う獣医は、J-CASTニュース編集部の取材に「『甘え』とは『何かをおねだりする』訴え」と答えた。しかし「過度に甘えてくるときは危険なサインということもある」という。
甘えるときは「にゃあにゃあ」と鳴く
「甘える」時、主に猫は「にゃあにゃあ」鳴き、子猫の時は母猫に何かを訴えるために鳴くが、大人になると猫同士で鳴き合うことはなくなる。2019年6月5日の取材に獣医はこう答えた。
「人に対して訴えるときに取る手段として『にゃあにゃあ』鳴くんですね。それは1つの甘える行動といえます」
「甘える」理由については「人と暮らすようになって、食べ物や安全を提供してくれると学習した結果です」と答えた。
しかし「甘える」という行為は決して猫特有ではなく、犬も人間にアピールすることが多いという。
「犬は社会性の動物。群れで暮らすことを好む。一方猫は社会性が低く、単独行動でも生きられる。そんなに周りにアピールして生きていく動物ではない」
「甘え」には飼い主に寄って身体をこすりつけるだとか、本を広げたら乗っかってくるなどがあり、「注目してほしい」という行動の現れであり、それは猫が何かを人に求めている状態になるという。
しかし過度な甘えは体調不良の可能性も
ただ中には「甘え」ではなく体調不調を訴えている可能性もあるらしく、
「口内炎や歯肉炎のような口内トラブルや体調不良でも食欲は落ちる。そのため自ら食べることができなくなり、飼い主の手からはやる気をだして食べている可能性もある」
また、「甘えの行動も変にその時だけ強くなるのであれば、それは体調不良の可能性がある」とし、「体の具合が悪くなると猫は不安になるので守ってくれるような飼い主の存在に、より『依存』するような行動が出る可能性は十分にある。妙に甘えてくっついてくるというときは体調不良のサインということがよくある」と述べた。
(J-CASTニュース編集部 井上祐亮)