レジ袋「有料化」の歴史 先駆者・オーケーは1989年...きっかけは?

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   環境省がレジ袋有料化に動き始めた。原田義昭環境相は2019年6月3日の会見で、「レジ袋の無料配布廃止」に向けて、法令整備する方針を明かした。東京五輪を視野に入れ、19~20年ごろのスタートを目標にしている。

   どうして今、「レジ袋」が問題視されているのか。背景を振り返りつつ、改めて確認したい。

  • 店頭からレジ袋が消える?
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海を汚す「マイクロプラスチック」

   このところ、プラスチックごみによる海洋汚染が、世界的に問題視されている。大きなごみでも、海洋で小さなサイズの「マイクロプラスチック」になることがある。これを魚やプランクトンなどが捕食すると、人間を巻き込んで食物連鎖に影響する可能性が出てくる。

   この問題をめぐっては、とくにプラスチックストロー削減の動きが活発だ。日本国内でも外食チェーン「すかいらーく」が6月6日、約1400ある全店で廃止。要望があった場合に限って、自然分解するトウモロコシ原料のストローを提供するようにした。

   政府は5月31日、「プラスチック資源循環戦略」を発表した。ここでは、30年までにワンウェイ(使い捨て)プラスチック排出量を25%削減するなどの数値目標を掲げている。6月末に大阪で行われるG20サミット(20か国地域首脳会議)では、これをもとに議論を進める予定だ。

   こうした流れがある中で、18年10月に就任したのが原田環境相だ。就任直後からプラスチックストローを使わないよう全職員に呼びかけたほか、レジ袋削減についても言及。19年2月26日の会見では、全国一律の有料義務化を進める決意だと語っていて、今回はさらに一歩踏み込んだ形となる。

かつては「レジ袋税」定めた自治体も

   レジ袋の有料化は、民間や地域レベルでは先例がある。ディスカウントスーパーの「OK(オーケー)ストア」は現在1枚6円(税抜)で販売しているが、きっかけは環境面でなく、1989年4月1日の消費税導入(3%)だった。オーケーは同日から、多くの商品でほぼ消費税相当額の「値引き」を開始。その日の朝日新聞朝刊では、

「消費税導入に伴い、他スーパーや免税業者との競争激化に備えた対策で、その代わり、これまで無料だった手さげのビニール袋は、1日から大きなサイズのものを1枚5円に有料化し、客にリサイクルを呼びかける」

と報じていた。

   「西友」は2007年から、レジ袋を断ると2円引きになるキャンペーンを実施。12年には有料化(Mサイズ2円、Lサイズ3円。いずれも税込)に踏み切った。これらはCO2(二酸化炭素)削減を意識して、マイバッグの持参を呼びかけるものだ。

   行政で先んじていたのは、東京都杉並区。2002年制定の「すぎなみ環境目的税条例」では、レジ袋1枚につき5円を税率として課した。自助努力を求める意味合いから、実際に徴収することはなく、その後08年に廃止されている。ただ、今回の環境省方針は、税を課すのではなく、小売店などに有料販売を求めるのがメイン。若干事情は異なるが、参考になる部分もあるだろう。

(J-CASTニュース編集部 城戸譲)

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