G20での反応は...? 政府・温暖化対策「長期戦略」の微妙な評判

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目玉となる「CO2の再利用」。しかし...

   この中で、特にCO2の再利用は経済産業省がG20をにらんで「仕込んだ」ネタだ。1月にスイスで開かれたダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)に出席した安倍首相が「CO2は最も手に入れやすい、多くの用途に適した資源になるかもしれない」との演説をすると、直後の2月1日に経産省は資源エネルギー庁に「カーボンリサイクル室」を設ける手回しの良さを見せた。CO2リサイクル技術の研究開発の工程表を作成してG20首脳会議の関連会合で発表する方針だ。

   だが、こうした技術革新は、言うは易く、行うは難し。例えばCO2からメタンを作る化学反応は20世紀初頭から知られているが、そのために水素や触媒が必要で現状では莫大なコストがかかる。経産省も「CO2の再利用は商用化のめどが立っていない」と認める。

   もう一つ、長期戦略での石炭火力の位置づけ。実は、長期戦略のベースになった有識者会議の提言は石炭火力について、当初の北岡伸一座長(国際協力機構理事長)の案に「長期的に全廃に向かっていく姿勢を明示すべきだ」とあったのが、中西宏明経団連会長ら財界出身の委員から異論が出て、「依存度を可能な限り引き下げる」と表現が後退し、「全廃」の文字は消えたという経緯があった。

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