巨人がまたも「投壊」で接戦を落とした。巨人は2019年6月5日、楽天生命パークで楽天と対戦し、2-4で敗れた。先発・田口麗斗投手(23)が4回7安打2失点と試合を作れずに降板。打線はベテラン阿部慎之助捕手(40)を4番DHで今季初のスタメンに起用するも、楽天の先発・古川侑利投手(23)の前に5回までゼロ行進が続いた。8回には岡本和真内野手(22)のタイムリーで同点としたが、その裏に中継ぎ陣が2点を失い試合が決した。
巨人の現状を象徴するようなシーンが見られたのは8回の守備だ。回をまたいでマウンドに上がった田原誠次投手(29)。ミットを構えるのは炭谷銀仁朗捕手(31)。1死ランナーなしから銀次内野手(31)に左中間を破るツーベースを許し、続くジャバリ・ブラッシュ外野手(29)には四球を与えた。左の渡辺佳明内野手(22)を迎えたところで、マウンドには5番手・吉川光夫投手(31)が上がった。
中継ぎの炎上は「打撃にも影響を及ぼしかねない」
1死1、2塁、吉川は渡辺に対して1つのストライクも奪えず、ストレートの四球で歩かせた。1死満塁にピンチが広がり、吉川はわずか4球で降板。絶体絶命の場面でマウンドを引き継いだ鍬原拓也投手(23)もまた制球が定まらず、辰己涼介外野手(22)に対する初球のスライダーを辰巳の左足に当て押し出し。1死後の2死満塁の場面では、茂木栄五郎内野手(25)にストレートの四球を与えてまたも押し出し。2つの四死球で2点を献上した。
同点に追いついた矢先の逆転劇。抑えきれない中継ぎ陣に在京球団の関係者は「8回のあの場面で中川(皓太)を使いたいところですが、同点では使いづらいでしょう。中川は今シーズン、半分近くの試合に登板しているので、今後のことを考えても無理はさせたくない。それにしても中継ぎが自滅する形で失点をすると、野手の士気にかかわってくる。長い時間、グランドで守備を強いられるとリズムを崩され打撃にも影響を及ぼしかねない。あの2点の持つ意味は非常に大きい」と指摘する。
巨人投手陣の苦しい台所事情は相変わらず。感染症の影響で大きく出遅れていたスコット・マシソン投手(35)が6月3日に1軍に合流したとはいえ、どの程度復調しているかは未知数だ。中盤戦以降のペナントレースを占う上でも重要な位置付けにある交流戦だが、その開幕カードに開幕ローテーション投手の姿はない。度重なる救援陣の炎上は、緊急事態の様相を呈してきた。