2017年12月から休養を続けてきたHKT48の兒玉遥さん(22)が2019年6月9日付でグループを離れ、女優に転身することになった。6月4日未明に日刊スポーツが兒玉さんのインタビューをウェブサイトに掲載し、その4時間後にHKTの公式サイトでも発表された。
HKTでは、グループの顔として知られた指原莉乃さん(26)が19年4月にグループを卒業し、宮脇咲良さん(21)、矢吹奈子さん(17)のエース2人が2年半にわたって日韓合同ユニットIZ*ONE(アイズワン)の活動に専念するため、グループから離れている。兒玉さんは、シングル曲のセンターポジションを何回も務めた中心的メンバーの一人。エースのひとりのグループ復帰がなくなったことで、改めて次世代メンバーの育成が急務になりそうだ。
「ソロになっても、ファンの方々に恩返しする方法はある」
兒玉さんは11年に1期生としてHKTに加入。「はるっぴ」の愛称で親しまれた。同期の宮脇さんやAKB48から移籍してきた指原莉乃さん(26=19年卒業)と並ぶ人気メンバーとして知られ、16年のAKB48グループの選抜総選挙では9位に入った。これまで12作発表されているHKTのシングルのうち、宮脇さんとのダブルセンターを含めると、4作品で表題曲のセンターを務めた。17年初めから体調を崩し、17年2月から活動を休止。4月にいったん復帰したものの、12月から長期休養が続いていた。総選挙も、17年、18年と不出馬だった。
日刊スポーツのインタビューによると、兒玉さんは19年の春先までHKT48への復帰について考えてきたが、「ソロになっても、ファンの方々に恩返しする方法はある」として4月に卒業を決めたという。公式サイトに出したコメントでも、
「突然の発表になってしまったこと、皆さんに長い間会えることができず申し訳なく思っています。ただ、この休養期間は心身ともに回復する為、次のステップへ進む為に必要な時間でした。このような形でアイドル活動に終止符を打つこと、沢山悩みました」
などと心中を明かしている。
6月10日からエイベックスグループの芸能事務所「エイベックス・アスナロ・カンパニー」に所属し、9月13日に初演を迎える舞台「私に会いに来て」が、卒業後の初仕事になる。
ファン「はるっぴ大丈夫だよね、一緒に待とうね」
19年4月の指原さんの卒業コンサートでは、指原さんは兒玉さんら不在メンバーに繰り返し言及。復帰を含めて今後の動向が注目されていたが、卒業公演なしでの卒業になりそうだ。兒玉さんが所属する「チームH」のキャプテン、松岡菜摘さん(22)はツイッターで、兒玉さんのファンが握手会で松岡さんのレーンに並んで「はるっぴ大丈夫だよね、一緒に待とうね」と訴えていたことを明かし、「はるっぴのファンの皆さんの顔が頭に浮かんで心配です」と思いやった。松岡さんは兒玉さんの新たなスタートを祝う一方で、
「でも、やっぱりどうしてもさみしい。何度人を送り出しても慣れるどころか重ねるごとに寂しさは増える。。私たちも今を大切にしなきゃね」
とも。泣き顔の顔文字付きで「寂しい」と嘆く松岡はなさん(19)には、
「さみしいね。みんなでがんばろうね」
と返信して励ました。復帰を待ち望んでいたメンバーも多く、
「いつか帰ってくると思ってました。悲しいし寂しい。びっくりしてます」(田中美久さん=17)
といった声が相次いだ。
「莉乃ちゃんの後を引き継ぐ」
指原さんにとっては最後のシングル曲になった「意志」(19年4月発売)のミュージックビデオでは、「HKT48」の文字が入った旗を指原さんが田中さん、松岡はなさんに手渡す場面があり、これがグループ内の世代交代を象徴すると受け止められている。
19年1月に福岡市内で開かれた若手メンバーによるコンサートでは、田中さんが「莉乃ちゃんの後を引き継ぐ」と宣言。田中さん、松岡はなさんが実質的に新たな「グループの顔」として活躍することになる。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)