映画1900円はなぜ「高すぎる」のか Netflix、Amazonプライムだけじゃない不満の背景

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   J-CASTニュースでは2019年5月11日、「映画館に『1900円』あなたは払えるか 配信時代の値上げがもたらすもの」と題する記事を配信した。6月からシネコン大手が、映画館の一般入場料を最高1900円に値上げするといった内容だ。

   この記事は、Yahoo!をはじめとしたポータルサイトに加え、各種「まとめサイト」や「はてなブックマーク」などで取り上げられた。そこに寄せられたコメントと、読者に行った「新料金をどう思うか」アンケートをもとに、どのように受け止めているのか読み解く。

  • 映画は高い?
    映画は高い?
  • 映画は高い?

「高すぎる」「ちょっと高い」で8割超

   J-CASTニュースが、5月11日の記事で「映画料金が1900円に、どう感じますか?」をテーマに読者アンケートを行ったところ、6月3日午前までに約9400票を投じられた。記事作成での結果は、「高すぎる。もっと安くしてほしい」が55.62%でトップ。「ちょっと高い。安くしてもらえたらうれしいな」が30.18%で続き、「ちょうどいい。これくらいが妥当」7.03%、「ちょっと安いかも。少し上げてもいいんだよ」3.54%、「安すぎる。もっと高くしてもいい」3.63%の順になった。「高すぎる」「ちょっと高い」をあわせて85%だ。

   記事コメントやSNSでも、「高い」との意見が多かった。その一方で「割引料金で見ているから、1800円も払ったことがない」との声も見られた。たしかに、業界団体の日本映画製作者連盟による「全国映画概況」を見てみると、18年の平均入場料金は1315円とある。多くの一般入場料金よりも500円ほど安く、映画を楽しんでいることになる。

   価格改定後でも、シニア、レディースデイ、レイトショーなどの割引料金では、1200~1400円程度で楽しめる。また映画館の会員になると、劇場によって週1~月1と頻度は違うが、同様の価格帯で鑑賞できる。金券ショップで前売券を買っている、といった反応も見られた。

   先の記事では、NetflixやHulu、Amazonプライムビデオといった動画配信サービスの普及が、「映画館離れ」の一因になっているのではないかと分析した。理由として定額制で映像コンテンツが安価になったことに触れたが、ネットの反応を見る限り、「お金」以外で足が向かわない層も多いようだ。音響と巨大スクリーンの良さは理解しながらも、「嫌な思いをしたくないから」と敬遠するのだ。

観客マナーは「ソシャゲのガチャ」と同じ?

   近頃ネットでは、観客をソーシャルゲームの「ガチャ」になぞらえる表現が増えている。たしかに2時間前後、同じ座席から動けないとなると、マナーの悪い客に邪魔されたくないのは当然だ。2000円近く払っても当たりハズレがわからないのなら、迫力は足りなくても、自分だけの空間で――というのも一理ある。ツイッターなどでは、

「これだけ出すなら迷惑な客ボッシュート出来るくらいはしてほしい」
「いっそ3000位にすればクソ客が減って民度がマシになるのでは(マトモな客が減らないとは言ってない)」
「確かに客ガチャ外すと辛いよな・・・最近だとスパイダーバース見たときに隣が高校生×3人でずっとしゃべってて萎えたわ」

といった体験談をまじえて、記事への反応を寄せているユーザーが見られた。

   客に対してではなく、映画館に向けた不満も。「映画館のフード等は、バカ高いから、極力買わない」とのコメントや、上映前の予告編について「2000円にしていいから最初のCM見せんといてほしい」といった声を見ると、ひと口に「映画料金値上げ」と言っても、人によって受け止めはさまざまなようだ。

(J-CASTニュース編集部 城戸譲)

姉妹サイト