元農林水産省事務次官の熊沢英昭容疑者(76)に刺されて死亡したその長男(44)は、同姓同名を名乗るアカウントがインターネット上に存在し、盛んに更新もされていたことから、人物像をめぐる憶測が飛び交っている。
父や母についての言及も複数あり、報じられている熊沢容疑者の供述内容との関係性を見出せるような書き込みも見つかる。
「もし、私が父親を通じて、役所を動かしたら...」
東京都練馬区の自宅で犯行に及び、自ら警察に通報し逮捕されたという熊沢容疑者。元事務次官というエリートが我が子を手にかけた特異な事件は、発生した2019年6月1日以降、新情報が出るたびに注目が集まっている。
死亡した長男と同姓同名を名乗るツイッターアカウントは特にクローズアップされた。両親について「勝手に親の都合で産んだ」などと反発的な投稿をすることもあった。ただ、「父」と「母」に対する言及を個別に見ると、扱いに大きな違いが見える。
他ユーザーとのDM(ダイレクトメッセージ)のスクリーンショット画像が事件前から出回っている。「BSE問題で話題になった熊澤英昭元事務次官の愚息であります」とはっきり名乗っており、「1975年」生まれと年齢も一致。没頭していたと見られるオンラインゲーム「ドラゴンクエスト10」に関し、「もし、私が父親を通じて、役所を動かしたら(中略)ドラクエ10のサービスを強制終了される可能性もあります」などと嘯(うそぶ)いていた。
ツイートでは「庶民が、私の父と直接会話なんて、1億年早いわヴォケ!!!!w 立場を弁えろ!!! 私は、お前ら庶民とは、生まれた時から人生が違うのさw」と、その威を借りて他者をあざける際に「父」が登場することが多い。オンラインゲーム上でつながる「フレンド」の誘いをするにあたり、女性とみられるユーザーに一度断られるも、「元事務次官の愚息であります」として食い下がろうとするやり取りのスクリーンショット画像も拡散された。