2019年夏の参院選で立憲民主党の公認を得て出馬する候補予定者の中に、19年10月に10%に引き上げられる消費税率を「ゼロ」にすべきだと訴える人が出始めている。この訴えは有権者に浸透しやすい可能性もあるが、「増税凍結」をうたう党の方針とは開きがある。
2人の発言について問われた枝野幸男代表は、党の決定について「しっかりご認識、共有いただいていると思っている」と多くは語らない。立憲の最大の支援団体でもある連合が、税率の引き上げを求めていることも背景にあるとみられる。
党の方針「しっかりご認識、共有いただいている」
現時点で「税率ゼロ」を訴えているのは、比例区から立候補する、お笑い芸人のおしどりマコ氏(44)と、宮城選挙区(改選数1)で野党統一候補として立候補するアナウンサーの石垣のりこ氏(44)。いずれも新人だ。おしどりマコ氏の5月24日のツイートによると、「党の方針に従え」といった声が寄せられるといい、
「立憲民主党の方針でこれぞ!と思ったのが『ボトムアップ!』です。真逆じゃない??消費税が何%か、議員の先生方だけで決めちゃっていいの?私たちも考えて議論すべきじゃないの?」
と反論している。
この2人の主張は、5月31日に行われた枝野氏の定例会見でも話題になった。党として容認するのか、と問われて枝野氏は
「将来、どうあるべきかということについては、党内においても様々な多様な意見があると思っているが、この参院選に向けて『ここから当面の間は消費税を上げない』ということが党の決定であるということは、候補予定者の皆さん、しっかりご認識、共有いただいていると思っている」
と返答。政策面での距離を浮き彫りした。