東日本大震災、熱中症対策...各社の分析
聞けば、清涼飲料の500ミリボトルの販売がはじまったのは1996年ごろ。600ミリボトルが登場したのはここ数年のこと。ペットボトル容器の製造技術が向上したことも、大容量化に一役買ったという。
約20年の間に何があったか。古川さんはボトル「大型化」の背景に、東日本大震災の影響もあげる。
「私の主観も入ってしまいますが、震災後に『水分を常時携帯しよう』という意識が大きくなったと考えています。震災時、スーパーもコンビニも開いていなければ、電気も止まって自販機も動いていないという状況でした。以降、外出時に水分を持ち歩く、それもできれば大き目が望ましい、と思う方が増えてきたのではないでしょうか」
一方、サントリー食品インターナショナルの広報担当は、取材に「商品によって増量を行なった背景・理由はそれぞれですが」と前置きしながらも、
「熱中症対策の意識の高まりを含めて、水分補給の需要が高まる夏場に向けて増量し、商品力強化を図っています」
とボトル「大型化」の背景に熱中症対策をあげる。「増量だけでなく中味やパッケージを同時にリニューアルし、お客様ニーズを捉えた結果、市場活性化、売上貢献に繋がっていると考えています」と、数字も上々のようだ。
公益社団法人東京都医師会のウェブサイトでは「熱中症の予防」の一手段として、「水分補給は計画的、かつ、こまめに飲水する。特に高齢者はのどの渇きを感じにくくなるため、早めに水分補給をしましょう。普段の水分補給は、健康管理上からもお茶や水がよいでしょう」としている。持ち運べてこまめに飲めるお茶や水が求められるのも頷ける。