新杉田駅(横浜市)で2019年6月1日に列車の逆走事故を起こした横浜シーサイドライン(横浜市)。
死者こそ出なかったが負傷者15人を出す大事故となり、復旧も長期化が予想される。
地域の足...安全な再開は不可欠
シーサイドラインはコンピューターによる無人運転を行う、AGTあるいは新交通システムと呼ばれる路線で、6月1日の逆走事故は現在運輸安全委員会により調査が行われている。事故は新杉田駅始発の列車が前進するところを進行方向反対側に逆走、車止めに衝突した。報道によれば、新交通システムでの逆走事故は日本では過去に例はないという。
国内の新交通システムでは他に5路線が無人運転を行っているが、非常時に列車を強制的に停止できる乗務員は当然いないため、列車の暴走・逆走は事故に直結しかねない。
同様の事故が、無人運転を行っていた路線で発生したことがある。1993年10月5日に大阪市のニュートラム住之江公園駅に停止しようとした列車が暴走し車止めに衝突した。この時は同年11月19日に運行を再開するまで1か月以上を要し、復旧後も添乗員を乗務させての運転だった。シーサイドラインの事故についても、6月2日から始発から全線で運休中であり、運行再開の予定は立っていない。今回も事故原因の確定と安全性の確保がなされるまで運休が続くと推測される。
シーサイドラインは沿線に八景島シーパラダイス、横浜市立大なども立地する地域の足。バスと鉄道による代行輸送が行われているが、安全な運行再開が待たれる。