「『男性ならいいだろ』とみなして、傷ついた人たちも多い」
とはいえ、20代男性なら、第2新卒やキャリア採用で就活をした人も多いかもしれない。とすると、学生よりむしろ既卒者の方がセクハラ被害に晒されている可能性も考えられる。
1人でも入れることをうたい、東京都内に約2200人の組合員がいるという全国一般労働組合東京南部では、中島由美子執行委員長が次のように取材に話した。
「就活中の人からのセクハラ相談は来ていません。しかし、職場では、男性上司や同僚から性的な言動を受けたり、『それでも男か』と言われたりすることが起きています。ですから、就活の場で男性がセクハラを受けたとしてもおかしくはないでしょうね」
男性がセクハラを受ける場合、加害者は女性や男性もあると中島委員長は言う。
「男性が女性に言うとセクハラとされる言動も、男性に言うとそうだと認識されていないのだと思います。もちろん、女性が男性に言う場合もあります。深刻なのは、風俗に誘うケースです。嫌な人もおられますので、無理強いしてはいけません。『男性ならいいだろ』とみなして、傷ついた人たちも多いんですよ」
男性へのセクハラが注目されるようになった背景については、こう指摘する。
「昔からあった言動だとは思いますが、女性が声を出すようになって、男性も意識が変わってきたのでしょう。セクハラを受けるのは、男性もやはり不愉快だと思うようになったということだと思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)