中国のハイテク企業全般を狙っている?
また、ハイテク業界に詳しいアナリストは「米政権は中国のハイテク企業全般を狙っていると見られ、今後、圧力が向けられるのはファーウェイにとどまらない可能性は高い。何が禁輸対象になるかなど、日本企業は慎重に見極めないといけない」と話す。実際、中国の監視カメラ大手、杭州海康威視数字施術(ハイクビジョン)に対する禁輸措置が検討されているとも伝えられており、企業も油断できない状況だ。
しかも、企業が不用意に取引中止などに踏み込んだ場合、ファーウェイから「契約不履行」などとして訴訟を起こされる危険もある。米国と中国との貿易協議が急展開し、米政権によるファーウェイ攻撃が急速に収まる可能性も否定できないなど、先が読めない中、米中の板挟みになった格好の企業の困惑は深い。
米国がファーウェイの排除に動き出したのは、安全保障上の懸念に加え、ファーウェイが次世代通信規格「5G」で世界を席巻しそうな状況にあり、ファーウェイの勢いを止めたいとの思惑があるともみられている。6月下旬に大阪で開催される主要20か国・地域(G20)首脳会議で米中首脳会談が開かれて一定の妥協に達する可能性も取沙汰されるが、「米中間の覇権争いが根底にある以上、根本的な解決は難しいだろう」(アナリスト)との見方も強く、ファーウェイ問題が長引くことへの不安は広がっている。