著作権者に無断でアップロードされた人気漫画などを載せた海賊版サイト、「漫画村」が問題視されたのは記憶に新しい。
その漫画村が接続不能になっておよそ1年、同じ名前を名乗るサイトが2019年5月31日までに出現。「アイシールド21」や「BLEACH」、「化物語」など、人気漫画のデータが上がっている。しかし、サイトには多くの不正広告などが組み込まれていることもあり、識者は「アクセスしてはだめです」と注意を促す。
ツイッターアカウントも存在
サイトでは、「ROMANCE」や「COMEDY」、「DRAMA」など複数のジャンルを選べるようになっており、39種類に及ぶ。ツイッターではその公式を名乗るアカウントが存在。「どのマンガを読みたいかをコンメンお願いします。アップロードします(編注:原文ママ)」と呼び掛けていたほか、「このウェブサイトを維持する為、経費が必要なので、広告にクリックしてお願い致します」と求めていた。
このアカウントは登録は2019年5月。このツイッターアカウントから、同サイトに飛べる状態だ。
このサイトを識者はどう見ているか。J-CASTニュース編集部では31日、ITジャーナリストの三上洋さんに話を聞いた。
三上さんによると、「見た目のドメインとトップページのデータは、ドイツとアメリカにそれぞれ本社があるサーバー会社にある」としつつも「本当にここを使っているのか、実際のサーバーは別のところにあるのかは調査しきれてない」と話した。
識者「不正な広告、詐欺広告がたくさん出ます」
サイトの外見について、三上さんは「色合いやデザインは旧漫画村に似ている。アップロードの仕方も似ている」と分析するが、「作りだけでは、『前と同じ犯人だ』というのは全然できないので、何とも言えないです」と語った。
サイトを見ていると、漫画は5月上旬ごろからアップをして、1週間置きで各最新刊を入れている。三上さんは、「漫画村と同じように、かなり組織立ってやっているグループなのかなという気はします」と推測する。
一方、サイトにアクセスすると、セキュリティーソフトが複数回反応。「脅威」が検出されたり、アドレスがブロックされたりした。三上さんによれば、ウイルスだとはっきりわかるものはなく、危害を与えるとみられるプログラムやスクリプト(マルウェア)も見た限りではないが、「詐欺広告はたくさん出てくる」と指摘。「あなたのパソコンがウイルスに感染しています」といったものや、「偽セキュリティソフトを導入させる詐欺広告」、さらには、「当選しました。アイフォンがもらえます」とうたう内容もあったという。数多くのアダルト広告もあった。
サイトの収益状況を三上さんは「広告の出し方もバナー広告だけでなく、ページを開くごとに別ウィンドウを開かせて、アダルトや詐欺(広告)やらを開かせるパターンも多い。不正広告を受け入れている広告配信会社と契約して、金をもうけているのかも」とみている。
三上さんは、サイトにアクセスしないよう注意を呼び掛けた。
「明らかなウイルスではないですが、不正広告、詐欺広告がたくさん出るので、アクセスしてはだめです。アクセスしただけでウイルスに感染するとは言いませんが、しただけで不正な広告、詐欺の広告がたくさん出ますし、もしかしたらパソコンやスマートフォンに危害を与えるようなものも入る可能性があります」(三上さん)
(J-CASTニュース編集部 田中美知生)