巨人が2019年5月31日、甲子園で阪神に2-5で敗れた。先発テイラー・ヤングマン投手(29)が初回、大山悠輔内野手(24)に先制の3ランを許して早くも3失点。その後、制球に苦しんだヤングマンは4回2死2塁の場面で近本光司外野手(24)にストレートの四球を与えたところで降板となった。
打線は2回、阪神先発・髙橋遥人投手(23)から大城卓三内野手(26)が2ランを放つも以降はゼロ行進。阪神戦4連敗となったチームは2位阪神に1.5ゲーム差、首位・広島とのゲーム差は4.5に広がった。
5番1塁で存在感を見せる大城
ヤングマンを4回途中でベンチに下げ、早めの継投策に出た原辰徳監督(60)だったが、この日も中継ぎ陣が指揮官の期待に応えることは出来なかった。イニングをまたいでの登板となった2番手・田口麗斗投手(23)は5回、糸井嘉男外野手(37)の3塁打から1失点。3番手・高木京介投手(29)もまた、7回に近本光司外野手(24)の3塁打から1点を失った。
甲子園で屈辱の連敗となった巨人だが、明るい材料となったのは大城の打撃だろう。5月26日の広島戦でプロ初となる5番1塁手でスタメン出場を果たし、29日の阪神との初戦には4回にタイムリー2塁打、そしてこの日は唯一の得点となる2ランを放ち、存在感を見せつけた。
開幕からは捕手として、小林誠司捕手(29)、炭谷銀仁朗捕手(31)らと正捕手の座を争ってきた。3番手捕手としてマスクをかぶってきた大城だったが、首脳陣から打撃を高く評価されており、26日にファーストにコンバート。同日に宇佐見真吾捕手(25)が1軍に合流したことから、今後は大城を打撃に集中させるために捕手ではなく、ファーストとして起用していく方針と見られる。
中島だけではない 昇格のビヤヌエバの居場所も...
今シーズン、ファーストを守る機会が多かった中島宏之内野手(36)は、開幕からここまで打率.171と不振にあえぎ、5月31日に今季初の2軍落ちを命じられた。年俸1億5000万円(金額は推定)の代打の切り札は、2009年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)をともに戦い抜いた指揮官の期待を一身に背負ってきたが、ついにその期待に応えることは出来なかった。中島が2軍落ちしている間に大城がファーストのレギュラーの座を獲得すれば、1軍に昇格しても、ますますスタメンでの出場機会が減少してしまうだろう。
中島に代わって1軍に昇格したクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27)も、その立場は決して安泰ではない。打撃不振により5月6日に2軍落ちしたが、イースタンリーグの試合では打率.189と、復調したとはいえない状態だ。指揮官から守備力を評価されているが、現在、巨人の内野手は、サードを岡本和真(24)が守り、ショートは不動の坂本勇人(30)。セカンドは山本泰寛(25)が定着しつつある。今後は山本、大城とのレギュラー争いになると見られるが、戦いに敗れれば年俸総額2億円超(金額は推定)の代打要員となる。
原監督は2軍降格の中島に対して、ファームでより多く打席に立つことによって実践のカンを取り戻してほしいとの思いがあるようだが、1軍に再び帰ってきても中島が入り込む余地は...。36歳のベテランが試練の時を迎えている。