「空のF1」とも呼ばれるプロペラ飛行機のレース、「レッドブル・エアレース」世界選手権が2019年のシーズンを最後に、今後は開催されないことになった。主催するレッドブル社(オーストリア)が19年5月29日(現地時間)に発表した。
大会は世界各地で行われ、日本でも幕張海浜公園(千葉市美浜区)で開催されてきた。9月に幕張で行われる大会が最後の開催になる見通しだ。
「ほかの世界中のレッドブルイベントほどの関心を引き付けることができなかった」
世界選手権は03年に始まり、これまで90大会以上を開催。19年シーズンでは、初戦にあたる2月のUAE・アブダビ大会で室屋義秀選手(46)が優勝。今後の日程でも活躍が期待されていた。レッドブル社は、今回の決定の理由を
「レッドブル・エアレースは最高品質のスポーツエンターテインメントを提供したが、ほかの世界中のレッドブルイベントほどの関心を引き付けることができなかった」 と説明している。
発表によると、今後行われる大会は、ロシア・カザン(6月15~16日)、ハンガリー・バラトン湖(7月13~14日)、日本・千葉(9月7~8日)の3大会。すでにレッドブル社は10月19~20日に米・インディアナポリス、11月8、9日にサウジアラビアの開催を発表していたが、この2大会については中止される見通し。
インディアナポリス大会は、「インディ500マイル」の開催地として知られるサーキット、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)で開かれることになっていた。IMSは、
「大会が開けなくなったことに失望している。多くのファンも同様だと思う」
とする談話を出し、すでに販売したチケットについては払い戻しを行うことを発表した。
「零戦」「DC-3型」の飛来も話題に
日本では15年から毎年開催。公園の沖に設置されたコースに約2キロにわたってパイロンと呼ばれる高さ25メートルの障害物が設置され、飛行機はパイロンの間を通過しながらコースを往復する時間を競う。パイロンによっては通過する高度や進入角度が定められており、要件を満たせないとペナルティー(罰則)としてタイムが加算される仕組みだ。
特に17年の大会では旧日本軍の主力戦闘機「零戦」や往年の名旅客機として知られるDC-3型機も登場し、競技以外でも話題になった。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)