巨人がまさかの逆転負けで3位に転落した。巨人は2019年5月29日、甲子園で阪神と対戦し、4-8のサヨナラ負けを喫した。2点リードの8回にセットアッパー沢村拓一投手(31)がジェフリー・マルテ内野手(27)に同点2ランを浴び試合は振り出しに。延長12回には8番手・池田駿投手(26)が髙山俊外野手(26)に逆転満塁本塁打を浴び万事休す。8人の投手を投入した総力戦を落とした巨人は3位に転落した。
悪夢の始まりは8回だった。マウンドには4試合連続無失点の沢村が上がり、先頭の4番・大山悠輔内野手(24)を簡単に投手ゴロに打ち取った。続く福留孝介外野手(42)にライト前に運ばれ、好調の梅野隆太郎捕手(27)をファールフライに。2死1塁の場面で迎えるはマルテ。一発狙いのマルテに対し、沢村は初球、なんら警戒することなく143キロの直球を真ん中へ。長打を警戒しなくてはならない場面での不用意な一球が、試合の流れを変えてしまった。
「沢村の精神的なもろさが出てしまった」
在京球団の関係者は「沢村の精神的なもろさが出てしまった」と話す。関係者が指摘したのは、マルテの本塁打の場面ではなく、本塁打を打たれた次の打者に対しての投球だ。北條史也内野手(24)に対して突如、制球が乱れ、フルカウントからの9球目をレフト前に運ばれた。続く糸原健斗内野手(26)の場面で北條が盗塁に失敗して3つ目のアウトを取ったが、雲行きは怪しいものだった。
前出の関係者は「沢村はここ4試合、緊迫した場面で投げていなかったので、ある程度リラックスして投げていた。それが無失点につながっていた。マルテにホームランを打たれた場面にしても2点差だったので、気持ち的には楽だったと思う。あの一発はしかたなかったとしても、次の北條に対しては、とたんに腕が振れなくなっていた。やはり1点差ゲームでの起用は難しいという印象はぬぐえない」と話す。
マルテに対しての配球しかり、2点タイムリーを許した5回の場面でも配球に関する疑問が。2死2、3塁で上本博紀内野手(32)が打席に立った。今村-小林の巨人バッテリーは、4球続けてフォークを選択。フォークにタイミングがあっていた上本は、落ち切らずに真ん中に入った球を見逃さずに右中間に2点タイムリー。緩急織り交ぜての投球で阪神打線を無失点に抑えていただけに痛恨の配球となってしまった。