ペットの熱中症、判断ポイントは?
また、熱中症で動物が死亡するケースもあると院長は語る。
「随分前ですが、真夏の引越しで、ケージに入れっぱなしだったらしく、熱中症で瀕死の猫が来院したことがあります。あとは、帰宅したら亡くなっていたという報告を受けたこともあります。クーラーの故障とか停電とか、仕方ない場合もありますが、ほとんどは飼い主さんが気をつければ防げるものだったのではないかと思います」
「昨今の暑さで、死に至らないまでも、熱中症は確実に増えていると思います。こちらが気をつけていても、想像を上回る暑さですので」
と過去の事例をあげつつ、飼い主側の対策を求めている。
また自宅等でペットが熱中症だと判断できるポイントについて、
「犬は開口呼吸(ハアハアという呼吸)が長く続くようであれば高体温になっている可能性があります。猫の場合は、口を開いて呼吸する動物ではないので、猫がハアハアしていれば、それは明らかに異常です。ウサギはぐったりした後、あっという間に亡くなってしまうことが多いようです」
と解説した。
またウサギについては特段の注意が必要で、
「ウサギは寒さに耐えるような毛皮を持っていますので、暑さには本当に弱いです」
「わたしの病院では、夏場は病院に来なくていいように、2か月に一度の爪切りを梅雨時の涼しい日にして、次は9月頃という風にしています」
と暑い中来院させないために時期をずらすという。
「どうしても連れていかなければならない時は、保冷剤を入れて、なおかつ近距離でもタクシーで移動するくらいの用心が必要だと思います」