アート作品「黒塗り」で美術団体が公開質問状 NTT東の対応めぐり「著作権及び表現の自立性への侵害ないし損傷」

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   NTT東日本が運営する施設で行われた展覧会で、出展作品の一部が黒塗りにされた騒動で、美術評論家連盟は2019年5月27日、同社に公開質問状を提出した。

   質問状では、NTT東の黒塗り対応を「著作権及び表現の自立性への侵害ないし損傷に当たる」と抗議し、経緯の説明などを求めた。

  • ICC公式サイトより
    ICC公式サイトより
  • 「Grand Bouquet」(ICC公式サイトより)
    「Grand Bouquet」(ICC公式サイトより)
  • ICC公式サイトより
  • 「Grand Bouquet」(ICC公式サイトより)

「会社の責任逃れのために公開中止を示唆してきた」

   NTT東が運営する文化施設「NTTインターコミュニケーション・センター」(ICC、東京・新宿)で18年6月~19年3月の期間、アート作品の展覧会が行われた。

   「黒塗り」騒動は、出展者である映像作家・吉開(よしがい)菜央さん(31)が展覧会終了後の3月14日、自身の映像作品「Grand Bouquet/いま いちばん美しいあなたたちへ」の一部シーンが黒塗りされたと公式サイトで明かし、広がった。

   公式サイトによれば、吉開さんは学芸員から、指が折れる表現などについて「NTT東日本広報から苦情のご意見がきている」と開催直前に伝えられた。吉開さんは表現の必要性を訴え、年齢制限を設けるなどゾーニングを提案したが、公開中止も示唆されたたため指摘されたシーンを黒塗りにして公開となった。

   吉開さんは「展示公開前に、コミュニケーション技術を発展させてきたはずの会社が、作品でもって世に問うて、人々のコミュニケーションを促進する前に、会社の責任逃れのために公開中止を示唆してきたのはとても残念なことです」と唇をかむ。

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