12連敗ヤクルト、中継ぎ酷使が招く危機 挙がる不安の声...「何人かは潰れかねない」

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   ヤクルトの連敗が止まらない。ヤクルトは2019年5月28日、神宮で広島と対戦し7-8で敗れた。ヤクルトの先発・原樹理投手(25)が4回途中7失点でKO。打線が4回に一挙5点を返して1点差に詰め寄るも、あと一歩及ばなかった。チームはこれで泥沼の12連敗。2017年7月に喫した14連敗以来の12連敗で、引き分けを挟まずの12戦12敗は1970年以来、49年ぶりとなった。

   この日の先発はヤクルトが原で、広島が野村祐輔投手(29)。くしくも12連敗のスタートとなった5月14日のゲームと同じ顔合わせとなった。連敗阻止へ打線が奮起し初回に先制するも、直後の2回に原が会沢翼捕手(31)にバックスリーンに叩き込まれ同点。続く3回には5安打を浴びて3点を失い、4回には4安打を許して3失点。原は3回3分の1を投げ、11安打7失点の大荒れの内容だった。

  • ヤクルトの本拠地・神宮球場
    ヤクルトの本拠地・神宮球場
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防御率、失点はリーグワースト、失策も...

   14日の広島戦から続く連敗ロード。この12試合で先発投手が「責任イニング」の6回を投げ切ったのは4試合だけで、実に8試合で先発が5回までに降板している。必然的に救援投手にかかる負担は大きく、先発が序盤に失点し、後続が耐え切れない状態が続く。ここ4試合での失点は「34」で、1試合平均8失点以上だ。チーム防御率はリーグワーストの4.54で、258失点もワースト。ヤクルト投手陣は空中分解の危機にあり、緊急事態ともいえる状況に陥っている。

   深刻なのは投手力だけではなく守備力でも大きな不安を抱えている。5月28日時点でのヤクルトの失策は、12球団ワーストの「44」。この連敗中の期間だけで「19」の失策を記録しており、セ・リーグ最少の中日の「17」を上回っている。選手個人に目を向けると、村上宗隆内野手(19)がリーグワーストの失策「11」。リーグ4位の13本塁打を差し引いても、村上の失策数は際立っている。

   14連敗を喫した17年は最終的に96敗を喫し、チームは断トツのリーグ最下位に終わった。勝率は実に319.で、首位・広島には44ゲーム差、5位・中日には15.5ゲームの差をつけられての最下位だった。現在、チームはかろうじて5位を死守しているが、6位DeNAとのゲーム差はわずかに「1」。借金は「7」まで膨れ上がっている。

「先発陣の立て直しは急務」

   「投壊」の危機に瀕している投手陣を支えるのがリーグトップクラスの強力打線だろう。236得点は堂々のリーグトップ。61本塁打は、62本の巨人に次ぐリーグ2位。ここまで5位に踏みとどまっていられるのも、この打線によるところが大きく、現状唯一ともいえるチームの明るい材料となっている。

   ネット上ではヤクルトの投手陣への批判もさることながら、投手起用に関して首脳陣に批判の矛先を向けるものも。在京球団の関係者はヤクルトの現状について「先発が先発の役目を果たせていないのが全て。中継ぎは、近年の勤続疲労が明らかだし、あれだけ登板機会が多いと、疲労は抜けない。中継ぎを批判するのは酷なこと。先発陣の立て直しは急務となる。このままのペースでいけば、中継ぎの何人かは潰れかねない」と警鐘を鳴らす。

   昨シーズン、交流戦前までリーグ最下位だったヤクルトは交流戦でパ・リーグ5球団に勝ち越し、一気に2位に浮上。打撃陣が好調なだけに、交流戦での反撃に期待がかかる一方で、投手陣の不安は拭えないでいる。連敗中にもかかわらず、28日のゲームには2万7000人のファンが球場につめかけた。今のヤクルトに課されるのは「勝利」のみ。ただ、その1勝が遠い。

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