ファンの側でできることは......
「車両保存が鉄道会社頼みになっている現状では、企業の判断で動態保存の終了や保存車両の解体がこれまでにも起きていました。もはや鉄道会社で保存できないとなった時に、企業以外の人や団体が担い手になれればより状況はよくなるでしょう」
と枝久保さんは続ける。個人や団体による車両保存は人的にも財政的にも難しいものの、鉄道事業者のバックアップ的役割を担える土壌が必要だろうと指摘した。
「文化財でもある鉄道車両にどんな歴史的価値を見出し、どう歴史を伝えていくかが大切だという認識を、鉄道趣味界でも共有していくことが望ましいでしょう」(枝久保さん)
鉄道事業者とて、活躍した車両をすべて取り置くことは難しく、ファンの希望をすべて応えられる訳でもない。事業者と市井の間でできることのギャップを埋めることが、鉄道遺産の保全に必要なのだろう。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)