スマートフォンのカメラ機能は、もはや日常に溶け込んでいる。筆者は1か月ほど前、愛用するiPhone7のカメラが故障して、生活にちょっとした変化が起きた。
最初は、写真に白いモヤがかかったことだった。レンズを見てみると、一部が欠けていた。おそらくコンクリートの路上に落として割れてしまったんだろう。とはいっても、なにが写っているかはわかるレベルなので、それから1週間ほどは変わらず使い続けていた。しかし、その後――。
映るのは「漆黒の闇」のみ
白いモヤに続いて、異変が起きたのは2019年4月末。ゴールデンウィーク直前だった。暗がりでライトを使おうと思っても、点灯しないのだ。これまでレンズだけだった異常が、センサー全体に広がりつつあるのかと思った直後、インカメラともども使用不能になってしまった。カメラアプリを立ち上げても、そこには漆黒の闇しかない。
記者の「職業病」だろうか、街中で面白そうな光景を見かけると、すぐに画像に残したくなる性分だ。普段からコンパクトデジカメを持ち歩いているが、あえてカバンを開けて取り出すのは面倒だ。そんな時にスマホは重宝するのだが、故障していると「撮らなくてもいいか」となる。おのずと写真の撮影枚数は減っていく。
アプリを試せないのも、日々トレンドを追う者としてはツラい。先日、写真共有アプリのSnapchat(スナップチャット)に「異性化」「幼児化」できるフィルターが追加された。ふだんは自撮りしないアラサー男子だけど、これは試してみたい――と思っても、その願いはかなわなかった。
お店のQRコードを読み込めない!
これまで「写真が撮れないだけだ」と思っていたが、思わぬ落とし穴があった。筆者はキャッシュレス決済の記事もよく書くが、PayPayやLINE Payなどでの支払いにも、カメラの故障は影響する。スマホ画面を店員さんに読み取ってもらうタイプ(CPMと呼ばれる)なら良いのだが、お店が提示するQRコードを自分のスマホで読むタイプ(MPMと呼ばれる)では支払えないのだ。消費増税後しばらく、キャッシュレス決済時のポイント還元が予定されている。その恩恵を最大限に受けるには、QRコードを読める必要が出てくる。
モヤが出てから1か月ちょっと、ようやく修理のためにApple Storeを訪問。予想通りカメラセンサーの故障と診断された。スタッフによると、パーツ交換はできず、本体まるごとの交換になるという。見積もりは約4万円。発売から2年半経っているのに、今そこまで払うのは......。
しばし考えて、機種変更を決めた。1万くらいプラスすれば、iPhoneは無理でも、Androidの最新機種は手に入る。この1か月の反動もあってか、カメラ性能に定評のあるスマホを注文した。これからどんな風景を撮っていこうか。久しぶりに写真へのワクワク感が募ってきた。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)