首相官邸のツイッターアカウントが2019年5月24日にツイッターを更新し、4月30日挙行の「退位礼正殿の儀」での安倍晋三首相の「誤読」疑惑を否定した。
「已みません」も否定
天皇陛下(当時)の退位に伴って行われた「退位礼正殿の儀」で、安倍首相は「国民代表の辞」を読み上げた。その後半、
「天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願ってやみません」
の箇所を「願っていません」と誤読したのではないかという報道が複数あった。
首相官邸は5月24日の投稿で、
「一部の報道に、4月30日に挙行された『退位礼正殿の儀』での国民代表の辞の最後の部分を、安倍総理が『・・(前略)・・。天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願って「い」ません』と述べた、との記事があります」
と報道に言及し、
「これらの報道にある漢字の読み間違いなどは、ありません」
と誤読疑惑を否定した。報道の中では「已みません」の「已(や)」を「い」と誤読したのではないかと指摘するものあったが、これに対しても
「国民代表の辞は、同日の閣議で決定されたものであり、安倍総理はそれに従って述べています」
「閣議決定された国民代表の辞の当該部分は、『・・(前略)・・。天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願って「や」みません』とひらがなです」
とツイートし、漢字の読み間違いはなかったとした。これまで首相らの動静を簡潔に投稿してきた官邸のアカウントとしては異例のツイートだ。
メディアの「誤読」指摘は、最近も相次いでいた
首相の「誤読」の指摘は5月上旬から各メディアで報じられている。5月中旬以降も『AERA』5月20日号でジャーナリストの田岡俊次氏がこの件に言及し、『週刊朝日』5月31日号でも作家の室井佑月氏が連載で触れている。このタイミングでのツイートには、「退位礼正殿の儀」から1か月近くたってもなお、「誤読」と報じるメディアがあることも背景にありそうだ。
なお、首相が国民代表の辞を読み上げる映像は、5月25日現在もユーチューブの首相官邸公式チャンネルと、それを引用する形で官邸ウェブサイトに公開されている。