日本でも、MMTへの注目が高まる背景

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安倍首相とMMTには「親和性」?

   この話が日本に飛び火した。ケルトン教授が「日本はMMTを実証している」と言っているというのだ。確かに、日本の国と地方の長期債務残高は2019年度末にGDPの2倍規模の1122兆円に達する見込みで、日銀が異次元緩和を始める前の2012年度末の1.2倍に膨らんでいるが、消費者物価(生鮮食品を除く)は2018年度も0.8%の上昇にとどまり、財政赤字と低インフレが見事に共存している。

   財政法は戦時インフレの教訓から日銀による国債の直接引き受けは禁じているが、日銀は異次元緩和の6年間で計350兆円の国債を市中で買い増しており、実質的に新規発行の国債を丸ごと引き受けているのと同じで、「お札を刷って政府の財政赤字穴埋め」というMMTを地で行く形になっているともいえる。

   MMTは国会でも取り上げられた。財政支出に積極的な自民党の西田昌司参院議員が4月4日の参院決算委員会で質問に立ち、「日本はこの20年金利も物価も上がっていない。いつの間にかMMTをやっている」と指摘。安倍首相はMMTを否定しつつ、「確かに(アベノミクスの柱である異次元金融緩和をやったら)国債は暴落し、円も暴落すると言われた。実際は、国債の金利は下がり、円が暴落したわけではない」と応じ、満更でもない様子だった。「安倍政権は消費税増税を2度延期し、財政健全化目標も先送りするなど、財政再建には積極的とは見えないことも、安倍首相とMMTの親和性を感じさせる」(大手紙経済部デスク)面は否めない。

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