「家庭や職場でのイライラ背景にあり、車両乗り換えなどの対処を」
電車やバス内などで突然キレる人がいることについて、専門家はどのように見ているのか。怒りとどう付き合うかについての啓発活動をしている日本アンガーマネジメント協会のコンサルタント小尻美奈さんは5月21日、J-CASTニュースの取材に対し、こんな見方を示した。
「電車内などでイラ立つケースは、通勤時間が8割ぐらいを占めています。通勤時間は、自分と向き合う時間が多く、家庭や職場でのイライラを引きずりやすくなります。会社に間に合わなさそうで焦ったり、密室に押し込められた状態で不快感が募ったりして、先のような満たされない思いが形を変えて、怒りとなって表れます。また、他の乗客とは利害関係がありませんので、不満をぶつけるはけ口にしやすいことです。例えば、職場の人には言えないが、見ず知らずの人には、言ってもなんてことはないと考えてしまいます」
キレる人は、以前からいたが、最近目立っている理由については、こう指摘した。
「パワハラや虐待が問題になり、暴力や暴言に対して社会の目は厳しくなっています。その結果、以前のように、職場で暴言を吐くことなどが難しい状況があるでしょう。また、夫婦共働きが増えるなど忙しい時代になっており、ストレスを抱えながら満たされない思いをいっぱい持つ人が多くいます。社会がスピード化して、何かを待つなどの忍耐力が低下していることもありますね」
どうしたらキレずにいられるかについては、こう助言する。
「事実と違う思い込みも多いですので、決めつけないことです。深呼吸したり車内広告を読んだり6秒待つなどして、クールダウンをすることが必要でしょう。決していい結果にはならないので、感情をぶつけないことが一番ですね」
怒られた人についても、言い返したりすればトラブルのリスクを負うため、相手の怒りに乗らないことが大事だとした。
「相手がなぜ怒っているのか、冷静に見る必要があります。誤解があるのが分かれば、そのことを伝えてもいいでしょう。しかし、勝ち負けは関係ありませんので、電車であれば、車両を乗り換えたりすることも手だと思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)