NGT卒業の長谷川玲奈 憧れの「声優転身」、先輩の道を追うか

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   2019年5月18日にNGT48の卒業公演を行った長谷川玲奈さんは、翌日ツイッターで卒業後の目標について語った。

「私は次の夢に向け頑張ることを決めました。それは、声優になることです。プロダクションのご指導の元、一から勉強し夢を実現出来るように覚悟を決め本気でがんばります。これからも応援よろしくお願い致します」

   NGT在籍時代の長谷川さんのキャッチコピーは「NGT48の唯一の野球少女!」。そんな長谷川さんが、次の進路に声優を選んだのは唐突ではなく、アイドルを目指した経緯や卒業公演でも、既に伏線が込められていた。

NGT卒業公演での長谷川玲奈さん(C)AKS
NGT卒業公演での長谷川玲奈さん(C)AKS

アイドルに興味を持ったきっかけは「AKB0048」

   生粋の新潟育ちで、男子に混じって野球部に所属していた長谷川さんと48グループを結びつけたのは、2012年から13年に放映されたアニメ「AKB0048」である。18年のウェブメディア「MELOS」におけるインタビュー記事でも、

「声に関する仕事に挑戦したいなと思っています。そもそも、私がアイドルに興味を持ったのは『AKB0048』というアニメがきっかけなんですね。だから、いつか声優としても活躍できたらいいなって」

とも語っている。

   「AKB0048」はAKB48を題材にしたアニメで、48グループのメンバーが主要キャラの声優を務めた。主題歌を歌う「NO NAME」はAKB・SKE・NMB・HKTから選ばれた9人の声優選抜メンバーによる音楽ユニットで、仲谷明香(さやか)さん・秦佐和子さん・佐藤亜美菜さんと、卒業後に声優に転身したメンバーが参加している。

   長谷川さんは卒業公演で、「AKB0048」のオープニング曲「希望について」と、エンディング曲「この涙を君に捧ぐ」も歌っていた。とりわけ「希望について」は長谷川さんのソロとして披露されている。卒業公演のセットリストに「NO NAME」の2曲が加わったのは長谷川さんの「AKB0048」への強い気持ちをうかがわせ、公演を見ていたファンも感慨深い様子だった。

声優への具体的なキャリアは?

   「NO NAME」には、「AKB0048」のメインキャストをきっかけに、現在は声優として活躍するOGメンバーが多数いる。仲谷さんはAKB卒業後に「ハピネスチャージプリキュア!」などで声優として活躍しているが、AKB0048のオーディションについては「ここで選ばれなかったらもう(AKBを)辞めるつもりでした」と後年のインタビューで振り返るほどの思い入れを持っていた。

   声優を目指す場合の一般的なキャリアは、養成所で基礎からのレッスンを受け、まず声優プロダクションに「預かり」として所属する。事務所預かりとして、レッスンを受けつつ作品のオーディションに参加して経験を積む。実績を重ねれば晴れて「正所属」となり、報酬もアップし「プロ」として認められる立場になる。

   元HKT48メンバーの山田麻莉奈さんの場合は、HKT在籍時代から代々木アニメーション学院福岡校の声優タレント科でレッスンを受けており、18年4月にHKTを卒業し上京。声優プロダクション「クロコダイル」に所属している。

声優の夢に向けて「プロダクションと面談」

   長谷川さんは卒業公演で、声優の夢に向けて「一から鍛えてくれる」というプロダクションに出会ったと語り、

「アニメ好きであること、アイドルとしての活動を評価していただき、そのプロダクションの方と面談をさせていただきました」

とファンに報告している。

   ただし、いかにアイドル経験があるとはいえ、声優とアイドルでは発声からして違う。山田さんも上京後に本格的なボイストレーニングを受け始めた。長谷川さんもこのようなアイドルと声優の業界ギャップを乗り越える必要があり、表舞台に立つまでは時間がかかるかもしれない。

   AKBグループは既に全体で数百人のOGメンバーを世に送り出しているが、芸能活動を続けるメンバーの中で、声優に転身する比率は低くはない。「AKB0048」から続く声優転身の系譜を長谷川さんも受け継ぐことができるだろうか。

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