列島に激震が走った、歌手の田口淳之介容疑者(33)と女優の小嶺麗奈容疑者(38)の大麻取締法違反による逮捕劇。世間の耳目を引く要素が多い事件だが、その一方で、護送時の2人の表情にも注目が集まっている。
テレビ各局は、東京湾岸署の留置場に向かうべく、東京・千代田区の厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部の建物から2人が出発する際の護送の様子を放送。通常、護送される容疑者といえば、うつむいたりフードを被ったりなど、顔を隠すのが相場だが、2人は違った。田口容疑者、小嶺容疑者共に前を正視していたほか、田口容疑者の表情はうっすら笑みを浮かべているかのようにも見える。このため、逮捕直後の報道では、スポーツニッポンが「田口容疑者は捜査車両の中で正面を見据え、不敵な表情」と報じたほどだ。
落ち着き払った態度...事前に打ち合わせも?
逮捕という非常事態にもかかわらず、「不敵」とも評される微笑みを浮かべていた田口容疑者。一方の小嶺容疑者は微笑みこそ浮かべていなかったが、やはり、動揺は見られなかった。通常の犯人護送時といえば、容疑者がうなだれたりうつむいたりしている様子が放送されることが多い。通常の逮捕劇とは大きく異なる落ち着き払った2人の態度について、経営コンサルタントで心理学博士の鈴木丈織氏は、2人が逮捕された場合に備えて以前から打ち合わせをしていたことが疑われると指摘する。
「まず、田口容疑者の『不敵な笑み』ですが、これは、自身のファンに対して、『そんなに重大な犯罪は犯していない』というメッセージを発するためです。薬物事件は重大な犯罪ですが、ファンがそれを理解してしまうと当然ながらファン離れにつながります。それを防ぐために、犯した悪事の重大性を薄めようとしての表情と言えるでしょう」
次に小嶺容疑者だが、小嶺容疑者は近年は目立った芸能活動をしていないので、田口容疑者のように表情によるファンへのメッセージを出す必要はないとした上で、以下のように指摘する。
「小嶺容疑者は時折、眉が下がるなどの困っているような表情を見せていましたが、逮捕されたことよりは、刑事処分が決まった後の人生を案じてのことでしょう。それも、内縁関係と報じられた田口容疑者との個人的な関係よりは、個人事務所の社長と社員というビジネス関係が維持できるかについて思いを巡らせているように思えます。これら2人の打算的な振る舞いですが、小嶺容疑者が田口容疑者よりも5歳年上であることを考えると、小嶺容疑者主導で事前に入念な打ち合わせが行われていたのではないでしょうか」
田口容疑者の供述に見える意外な内心
また、これら、用意周到さも疑わせる2人の反応は、これまでの芸能界の薬物事件とは一線を画すものだという。
「コカインで逮捕されたピエール瀧被告に関しては、2人よりは動揺が見られます。護送時に目を閉じており、防衛反応が出ていたと言えます。恐らく、目を閉じつつ取り調べ時などに思いを致していたのでしょう。また、2009年に覚醒剤で逮捕された酒井法子さんですが、逮捕時の車の中でうつむいてはいましたが、酒井さんが逮捕前に逃亡していたことを考えると、防衛反応というよりは『反省したかのように見せるための振る舞い』だったと考える方が自然です」
また、田口容疑者と小嶺容疑者で供述が割れている点についても、意外な可能性を指摘する。
「田口容疑者が大麻を『2人のもの』と供述する一方で、小嶺容疑者は『私のもの』と供述しており、これだけを見ると『田口には小嶺をかばうつもりはないが、小嶺は田口をかばおうとしている』ように見え、田口容疑者には小嶺容疑者への思いがないように見えますが、それは違います。田口容疑者の供述は、『犯罪を犯したという事実を小嶺と共有し、小嶺をつなぎとめておきたい』という気持ちの表われと推測されます」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)