ツイッター上で投稿された、大学時代の友達が結婚したことをSNSで見つけ、式に呼ばれていないことを知るという漫画。J-CASTニュース編集部でも2019年5月17日、記事で取り上げた。
翌日にはYahoo!ニューストピックスにも入り、23日昼時点で3500以上のコメントが付いている。Yahoo!ニュースで寄せられたコメントのうち、主な意見・感想を紹介したい。
「SNSが無ければ...」
・20代は「ショック」だが、30代は「ご祝儀出すのしんどい」
ある投稿者は、「今はなんでもSNSでバレちゃうから辛いよね。私も結婚式ではないですが似たような経験あります」とつづった。「SNSが無ければ自分以外の友達は結婚式に出席しているという知らなくても良い事実...20代は『結婚式呼ばれなくてショック』です」としつつも、30代には「『結婚式はご祝儀出すのしんどい』に変わるときがきます。呼ばれないと悲観しがちですが、時が解決してくれますよ」と持論を展開した。
・「結婚式に呼ばれないなら、それだけの関係」
別のユーザーも、「SNSの時代は、知らなくてもいいことも知ってしまい、傷つくことも多く、いいことばかりではないので、とてもたいへんですよね」と共感を示した。「結婚式に呼ばれないなら、それだけの関係」と割り切り、「時間をかけて傷ついた心を癒していくしかないかなあ」と考えを提示。「これからの人生で、またいい友達がきっとできるし、あとは友達は少ない方がかえって面倒なことも少ないし...。少なくても話が合って一緒にいても疲れない友達が少しいればいいかなあ」。
・「ラインもフェイスブックもやっていないから楽」
この執筆者は、「SNSやLineや今の若い人達は大変だと思う」と気遣う。若いころ、友だちはなくてはならないものとしつつも、「歳をとってからは当時の友達は付き合いありません。その都度新しい出会いがあるし居なければ居なくても平気になってきました。そんなもんですよ」と振り返る。ラインもフェイスブックもやっていないから楽ですよ」。
配信後、記者宛にも「記事を読んだ」という連絡があった。20代の友人からは「同じ気持ちになっているから、つい読んでしまった」などとメッセージをもらい、反響を実感した。
識者「考えすぎると傷つくだけ」
もしSNSで身近な人物によるお祝い事の報告に触れ、呼ばれていなかったことを知った時、どんな姿勢でいたらよいのだろうか。J-CASTニュース編集部では22日、ITジャーナリストの高橋暁子さんに話を聞いた。
高橋さんは、「呼ばれなかったという事実だけがクローズアップされてしまい、それによって傷ついているような体験をしている人が非常に多いことを今回の反響が示している」と漫画の影響を分析。そのうえで、「SNSで結果的に知らされてしまい呼ばれなかったというのと、写真で見ると楽しそうというので疎外感を強く感じてしまいがち」としつつも、「自分以外にも呼ばれてない人もいるし、相手が自分のことをどう思っているかも可視化されているわけではない」と指摘する。
「本当は呼びたかったが泣く泣くあきらめたのかもしれないし、旦那さん側や奥さん側それぞれで親戚や上司とか呼んでいったりすると人数がどうしても限られるかもしれない。見えないことを無駄に考えすぎると傷つくだけなので、あまりお勧めはしない」(高橋さん)
SNSでは、投稿への共感度を示す「いいね!」の数や友達の数などが比較できる。高橋さんは、「自分が呼ばれているイベントの数や、相手が呼ばれて参加したイベントの数も見えてしまうことによって比較検討し、自分が無駄に落ち込む。『もっと見られたい』とか『もっと認められたい』『もっと大事にされたい』という思いはどうしても刺激されて強まってしまうものだと思う。仕組みとしてそういうところがある」。
報告を「見てしまった」側に対して、高橋さんは「素直にお祝いの気持ちやメッセージを送ったりコメントしたりすると、周りにも感じがいいように見える」と勧める。「(今回の漫画のように)、グループの中で自分だけ(呼ばれてない)みたいなのが悲しいのはわかるが、事情は必ずある。『次お祝いさせて』などポジティブ系なワードでお祝いするのがいいかなとは思います」。
呼ぶ側の注意点は
結婚式に呼ぶ側の注意点は何か。高橋さんは、「『今回呼びたかったが、会場・人数の都合でどうしても声をかけられなかった方がたくさんいて本当に心苦しい』『そういう方たちにはいずれ直接、ご連絡させて頂きたい』『この場を借りてお礼させていただきます』など、配慮のある投稿が一つあるだけで、配慮されていると感じると思います」とアドバイス。「(投稿が)全くないと、『自分のことはそもそも存在として見えていないのでは』というほどの感じ方になってしまう。配慮が少しあるだけでだいぶ違う」。
お祝い事の報告には「いいね!」が付きやすく、投稿する側にもさまざまな「いいね!」がほしい思いもある。高橋さんは、「参加者はお祝いの気持ちで投稿しているだろうし、主催者はお祝い事なので投稿するのは責められるべきではない」としつつ、「フェイスブックだと、普段、没交渉の人にも(投稿を)見られる可能性が非常に高くなる。そういう方たちからどう見られているか少し考えておくと、今後、お会いした時、問題になりづらく、次につながりやすいと思います」と指摘していた。
(J-CASTニュース編集部 田中美知生)