巨人は2019年5月22日、東京ドームでDeNAと対戦し、1-5で敗退した。プロ初のスライド登板となった先発・髙橋優貴投手(22)が、初回にネフタリ・ソト外野手(30)に先制の2ランを浴びるなど4回5安打3失点で早々とKO。打線はGキラー東克樹投手(23)の前に沈黙し、本拠地東京ドームで5連敗となった。チームは貯金を「5」に減らし、首位・広島とは1.5ゲーム差に広がった。
巨人の先発陣で抜群の安定感を誇るドラ1左腕がプロ最短となる4回でKOされた。初回から制球に苦しみ、全体的に球が高めにいった。左打者には多彩な変化球が低めに決まっていたが、課題の右打者には球が高めに浮いたところをたたかれ安打を許した。これまで適度に荒れていた球が、打者に的を絞らせずにいたが、この日は制球難から不利なカウントを招く悪循環。4回までの球数「86」が、ドラ1左腕の苦しみを物語っている。
スタメン6人が1億円プレイヤーも...
エース菅野智之投手(30)が腰の違和感によって戦線離脱。菅野が抜けた今、先発陣の柱として期待された高橋の4回KO。開幕当初から不安視されていた中継ぎ陣は、この日もいいところがなく、3番手・田口麗斗投手(23)、5番手・高木京介投手(29)がそれぞれ一発を浴び、「傷口」を広げる結果に。開幕から42試合を消化し、中継ぎ陣の不安定さが続いている。
不安は投手陣に限らない。この日、巨人打線はGキラー左腕対策として3番・丸佳浩外野手(30)以外(9番の高橋投手は左)、右打者をズラリと並べた。この日のラインナップを見ると、野手8人中5人が他球団から獲得した選手。5選手の平均年俸は約2億9000万円(金額は推定)で、潤沢な資金を誇る巨人の象徴的なオーダーだった。山本泰寛内野手(25)と岡本和真内野手(22)を除く、6人の1億円プレイヤーを擁する打線だが、得点はアレックス・ゲレーロ外野手(32)の一発のみ。好機で打てないばかりか、3併殺と拙攻を繰り返した。
チーム状態を象徴するようなシーンが見られたのが4点ビハインドの9回の攻撃だ。3番・丸から始まる好打順も、先頭の丸が見逃し三振、続く4番・岡本も見逃し三振。この日唯一の打点を挙げていたゲレーロはセカンドゴロに終わり、あっけなく三者凡退でゲームセットとなった。あまりにも不甲斐ない3番、4番の連続見逃し三振に、試合後、原辰徳監督は名指しこそしなかったものの、「クリーンナップ」と称して愚痴のような苦言を呈した。