17年ぶり復活「スープラ」の実力は? 「シルキーシックス」採用が意味するもの

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86よりも「さらに低い重心高」

   重心高にもこだわり、スバルの水平対向エンジンで低重心が特徴の86よりも「さらに低い重心高を実現した」というから驚きだ。前後重量バランスも、理想とされる50対50を達成している。

   直列6気筒エンジンは「シルキーシックス」の異名で呼ばれるように、絹のように滑らかな回転バランスが特徴だ。衝突安全性やスペース効率などから、トヨタ、日産はじめ世界の自動車メーカーは直列6気筒の生産をやめ、V型6気筒エンジンに移行した。BMWが直列6気筒にこだわる理由は、高級車やスポーツカーにはシルキーシックスがふさわしいと考えているからだ。

   17年ぶりとなるスープラの直6ターボエンジンは3リッターで、最高出力250kW(340PS)、最大トルク500N・m(51kgf・m)のハイパフォーマンスを誇る。直列4気筒の2リッターバージョンもあるが、せっかくスープラを選ぶのであれば、日産GT-RやフェアレディZ、ホンダNSXにもない直6エンジンだろう。ライバルのこの3車はいずれもV型6気筒エンジンだ。

   共同開発の新型スープラは「BMW Z4」と兄弟車になる。この点は86とスバルBRZの関係と同じだが、トヨタは「スープラのチューニングはZ4と別のチームで行なっており、86とBRZの兄弟関係とは異なる」と説明している。

   新型スープラはBMWが本社を置くミュンヘンを拠点に共同開発し、BMWが生産を委託するオーストリアの工場で生産する。トヨタの開発チームは「ドイツのニュルブルクリンクサーキットの走りこみはもちろん実施しているが、欧州のカントリーロードやアウトバーン、北欧の氷雪路、日本のワインディングロードなど世界中のあらゆる道を走り、クルマを操る楽しさを感じていただけるようチューニングした」という。日本に続き、欧州と米国では今夏の発売となる。

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