富士山で救助要請も勝手に下山 どう対処する?山梨県警に聞いた

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   富士山を登っていた東京都内在住の20歳代男性が山梨県警に救助を要請したものの、自主的な判断で下山してしまい、山岳警備隊員ら6人が夜遅くまで捜索する騒ぎがあった。

   ツイッター上などでは、「業務妨害ではないか」「全額費用負担すべき」などと批判が噴出している。そこで、対応した県警の富士吉田署に話を聞いた。

  • 野口健さんもツイッターで怒り
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「そこにいて下さい」との県警の要請を聞かず

   「軽装備の登山のため、疲れて動けない」。こんな救助要請が富士吉田署に電話で入ったのは、2019年5月20日12時(午後0時)40分ごろだ。

   それによると、男性は、山梨県側の吉田口登山道を1人だけで登り、8合目付近で立ち往生してしまったという。この時期は、残雪が所々にある状態で、男性は、必要な登山届も出していなかった。

   男性に対し、同署では、少し時間を置いて、110番するように伝えた。こうすれば、携帯電話のGPSから男性が8合目に本当にいるかなどが分かるからだ。

   110番を受けた県警本部で男性の位置を確認し、遭難の際は現在地から動かないことが原則のため、この通話で「そこにいて下さい」と要請した。ところが、男性は、「体力が回復したので、自力で下山します」と主張したまま電話を切った。

   県警では、男性は危険な状態にあると判断し、その場所にいるとの前提で救助に行くことにした。大雨の予報でヘリは飛ばせず、警備隊員らが5合目から徒歩で向かった。しかし、110番通報の後、男性に十数回電話しても、呼び出し音が鳴るだけでつながらず、そのまま8合目付近の捜索を続ける。そして、天候悪化の恐れから、21時半でいったん打ち切った。翌朝から捜索を再開することも検討していたそうだ。

   その後、22時過ぎになって男性が自宅から電話をかけてきて、男性は、富士山の麓まで歩いて電車で自宅に帰っていたことが分かった。男性にケガはないという。

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