アニメ下請けにも「働き方改革」 経産省ガイドライン改訂案のポイントは?

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   経済産業省では、アニメ制作現場での下請け取引推進を目的としたガイドライン改訂案を作り、2019年5月31日まで意見を募集している。

   同ガイドラインは13年4月に策定。下請け事業者の保護を目的とした「下請法」について、アニメーターや取引関係者に正しく理解してもらうことなどが狙い。改訂の背景には、働き方改革法の施行や動画流通をめぐる環境の変化がある。

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背景には、働き方改革法と動画チャネルの広がり

   残業時間の上限などを定めた働き方改革関連法が2019年4月に施行され、20年4月には中小企業向けに適用される。J-CASTニュースが19年5月20日、経産省商務情報政策局コンテンツ産業課の担当者へ取材したところによると、アニメ業界では発注者が大企業ではなく、中小企業の場合が多いという。

   ガイドラインの見直しは、首相官邸が主導する「下請等中小企業の取引条件改善に関するワーキンググループ(WG)」の一環。19年4月17日の第8回WGに出された、総務省と経産省による資料によると、アニメーション制作の就業実態は、約7割がフリーランスだという。 今回のガイドライン見直しでは、下請け事業者をめぐる取引環境を適正にすることを重点に置く。同資料によると、契約書を全く交わしていないのが4割弱で、発注書が交付されている人は半数以下となっている。

「フリーランスの取引環境を適正化することが重要。労働法制の厳格化というよりは無駄なところは排除し、効率的にする」(担当者)

   ガイドライン改訂案では、スケジュール管理の責任が、アニメ制作会社(ガイドラインでは、元請・準元請に位置づけられている)に発注する「製作委員会」にあることなどを追記。ほかにも契約書や発注書交付の意義や、交付しなかった際の罰則も記したり、取引に関するやり取りをSNSやメールに残すことも周知させたりしていく。

   改訂背景にあるもう一つの要因は、動画配信プラットフォームの台頭で、コンテンツの流通チャネルが広がりを見せていること。担当者は、「アニメ制作会社からすると追い風。競争力の高いアニメ産業を海外に展開すべく、働き方改革をチャンスととらえ、産業の足元を強くする」と語った。

(J-CASTニュース編集部 田中美知生)

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