八代英輝弁護士「逮捕するのが普通」 池袋暴走「退院後も逮捕なし」に異論

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   東京・池袋で車が暴走し、母子2人が死亡した事故で、運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(87)が入院先から退院し、警察による任意の事情聴取を受けた。

   元高級官僚という経歴を念頭に「上級国民だから逮捕されないのか」といった疑問の声が以前からネット上であがっていたが、今回の各メディア報道で、警視庁は退院後も逮捕せずに在宅のまま捜査を続ける方針と伝えられたことを受け、疑問の声が再燃している。そうした中、元裁判官の八代英輝弁護士は「退院されて事情聴取を受けた時点で、逮捕するのが普通だと思いますね」と、情報番組で指摘した。

  • 事故現場では、多くの人が手を合わせて犠牲者を追悼していた(2019年4月23日撮影)
    事故現場では、多くの人が手を合わせて犠牲者を追悼していた(2019年4月23日撮影)
  • 事故現場では、多くの人が手を合わせて犠牲者を追悼していた(2019年4月23日撮影)

「違和感を持っている人が多くてですね」

   2019年4月19日の事故で胸の骨を折るなどして入院していた飯塚元院長は5月18日、退院して警視庁目白署に出頭し、任意で事情聴取を受けた。両手に杖を持ってマスクにサングラス姿で署に出入りする際の様子は、テレビ各局が映像つきで伝えた。逃亡や証拠隠滅の恐れがないとして、警視庁は今後も逮捕はせずに在宅で捜査を続ける方針(毎日新聞19日ウェブ版など)などと複数のメディアが報じている。

   週明けの20日放送の「ひるおび!」(TBS系)も、今回の退院・任意聴取を取り上げた。八代弁護士は、「退院後も逮捕なし」の現状への違和感を口にした。前半は、

「この事件って信号無視で、横断歩道を渡っていた何の過失もない2名が死亡している事故なんです。それで、実質否認事件なんですね」

と指摘した。調べに対し当人が、事故を起こしたことは認める一方で、ブレーキが効かなかった、アクセルが戻らなかったと主張していると報じられており、八代弁護士は「これは恐らく踏み間違えという認定がされると思いますけど」とみており、これが「実質否認」という表現につながったようだ。ブレーキなどの機能については、「乗用車機能検査で異常なし」(7日、共同通信)という趣旨の複数の報道が出ている。

   八代弁護士は続けて、

「否認事件であって、今までは胸骨骨折で入院中だったので身柄拘束を見送るという運用は分かるんですけれど、おととい(18日)退院されて事情聴取を受けた時点で、通常だったら逮捕状(を取って)、逮捕するのが普通だと思いますね。それをなぜ今回見送ったのかについて、違和感を持っている人が多くてですね」

と指摘。その上で、

「逮捕状の請求の運用というのを警視庁が恣意的に行っているんじゃないか、という疑惑を持たれると良くないと思うんですね。逃亡の恐れがないとか、じゃあ今まで逃亡の恐れがなさそうな案件で逮捕してこなかったのかというと、決してそうではないので」

と、「違和感」をもたれる背景を解説し、

「この容疑者に関してだけ、なぜそのような運用をするのか、もう少し詳しく説明して頂きたいな、と思いますね」

と要望した。

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