選手「待たせる」日本式は改善の余地も
日本ではつい最近、女性タレントの始球式が物議をかもした。この女性タレントのケースでは、緊張のせいか、なかなか投球出来ずに試合が遅延。小雨の中、選手はグランド上で4分間、待たされる形となった。前出の元職員は、メジャーではこのような光景はまずありえないと言及する。メジャーの始球式では選手がグランドに立つことはなく、球を受ける捕手だけが守備位置に着くのがスタンダードだという。そのため選手が始球式の「影響」を受けることはなく、普段通りにゲームに入ることが出来る。
「日米の始球式の一番の違いは、始球式の間の選手の処遇です。メジャーでは、選手が準備運動などをしている間に始球式が行われますが、日本では選手はグランドに出ています。始球式の間、先発ピッチャーが傍らに立っているのはメジャーでは考えられません。これは日本もメジャーも共通していえることですが、ピッチャーはダッグアウトを出た瞬間からアドレナリンが出て『試合モード』に入りますから、始球式の間、待たされるのは非常にやりづらいはず。始球式に芸能人を起用するのは、ファンサービスの一環としてありだとは思いますが、選手をグランドで待たせるシステムは改善の余地があるのではないでしょうか」(元球団職員)
ファンあってのプロ野球だが、試合を主催する球団は現行の始球式の「あり方」を今一度、見直す必要があるのかもしれない。