片付ける気が起きないのは性格ではなく、価値観が影響
これら、少しでもやる気を出せばすぐに片付けられるはずのものを片付ける気にならない心理について、経営コンサルタントで心理学博士の鈴木丈織氏は、片付ける気が起きないのは性格ではなく、価値観が影響していると説明する。
「まず、橋本さんの場合は、『部屋のゴミを捨てたり掃除機をかける』という行動と、『部屋に散乱した服をしまう』という行動が、『共に部屋を片付ける』という行動であるにもかかわらず、心の中では別々に分類されてしまっていると推測されます。別々に分類されていると、それぞれの系統の中で、『片付いている』『片付いていない』という判断が行われ、その結果、価値が低い、つまり、重要視していない方の系統は散らかるという深刻な状況になっても無視されがちです」
事実、橋本さんは番組中では前述のようにリモコンに関しては置き方にすらこだわると明かしていた。ちぐはぐな状況が発生した原因について鈴木氏は、
「幼いころのしつけや習慣など、何らかの理由で『服を片付ける』という行為が『部屋を片付ける』という行為と結びつかなかったと推測されます。なお、番組中で橋本さんは自らの行動を『矛盾』と表現していますが、これは、『トーク番組』という他者とのコミュニケーションの中で、『矛盾している』と突っ込まれるのを予め想定しての行動です。本人の心の中では『矛盾』はしておらず、実は、本人にしてみれば不本意な発言のはずです」
また、小嶋さんについては以上の点を踏まえた上で、「所有欲」の強さが「飲みかけのジュースを保存しておく」という、本来なら保存不可能なものを保存するという行動に走らせたと指摘する。加え、指原さんの例に関しては、大きな「自己愛」が見て取れるという。
「下着や靴下をまとめて洗う方の特徴として、『自己愛が強い』という傾向が見られます。自分の肌に直接触れていたものは自分の分身なので、それを『溜め込む』というのは自己愛を溜め込んでいるのです。また、それらを溜め込んで一気に洗うというところからして『溜め込んで洗う』という過程そのものを楽しんでいると推測されます。山を作って、それを崩し、また山を作るという『幸せのサイクル』を自ら作り出しているのです」
一見すると矛盾している「片付けられない」という行為の奥底には、個別の深い理由があるようだ。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)